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個人と組織

2008年04月07日 13:21

 今朝の雨は散り行く桜の行く末を見届けるかのように激しく、濡れた路面に花びらを散り敷き、流し去った。花がある時は目立たなかった芽吹いた新緑の葉が木を覆い始め、毎年春とともに始まり繰り返す命の営みを始める。

ハンニバルの革命と挫折から学ぶ
 4月の桜の花と前後して入学、入社して、新たな組織に属するようになる人も多い。昔から個人と組織の関係に興味をもって考えてきた。その結果でた結論(?)は個人は組織にはかなわないのか?である。
 古来個人は組織に対し様々に戦いを挑んできた。しかし、最終的にはほとんど個人(小さな組織)が破れている。ハンニバルという天才的な戦術家も最終的にはローマに勝利することができなかった。ハンニバルは敵の裏をかきカルタゴの傭兵をつれ象とともにアルプス越えをし、ローマ軍を急襲して第2次ポエニ戦争が始まった(BC218-201).
いとも簡単にトレビヤの戦い、トラシメヌス湖畔の戦いに圧勝し、カンナエの戦いで完膚無きままにローマ軍を打ち破り、ローマに迫ったのに、あまりの幸運に疑心暗鬼になり、ローマ突入を見合わせてしまった。本の数日間、天が運命を与えたのに受け取らなかった。騎兵隊長のマハルバルはあなたは勝利を得る事は出来るがそれを活用することを知らない」とローマ攻撃にこだわったという。ただハンニバルはローマを滅ぼすというよりもローマの友好都市国家との関係を断裂させ孤立させたかったのだという説もある(塩野七生著ポエ二戦争)。それを契機に勝利はしたが、2度とローマを落とすようなビッグチャンスは訪れなかった。ローマは体制の立て直しのため、マクシムス、ファビウスを独裁官とした。彼は積極的にハンニバルを攻める事はせず、徹底的に消極戦、持久戦に持ち込んだ。ハンニバルの勝機はここに潰え、彼の部隊は徐々に衰退していく。最後はザマの戦いで大敗した後、ローマ軍からの追撃を逃れるため、クレタ島から遠く黒海沿岸のビテユニア王国まで流浪していき、その地で自害するすることになる。ハンニバルはカルタゴでは特別に傑出していた人物であったため全てを個人で決定し戦ってきた。それに対し、ローマは後年スキピオのような戦術家はでてきたが、執政官を中心とした組織として戦い消耗戦にもちこんだ。
 このような個人対組織の戦いの場合、長引けば長引く程組織が強くなる。個人は深く静かに潜航し、水面に出た時には乾坤一擲、徹底的にそれまで考え抜いてきた作戦を遂行する。これしか勝ち目はない。長引けば長引く程総合力に勝る組織は、じわじわと国力(組織力)を発揮しはじめる。個人の場合、最初に行なった時は革命的でも、時間とともに陳腐な作戦となり、先を読まれるようになってしまう。こうなると個人の勝ち目はない。革命的な考え,作戦は次から次に出てくるものではない。ひとたび兵を起こしたら最後まで完遂するしかない。
 日本人は桶狭間の戦いのように、「寡を持って衆を絶つ」ことに美学を感ずる人が多いが、よほどの僥倖に恵まれない限り、大海戦(大会戦)になれば小は大にはかなわない。太平洋戦争の戦いもしかり。大成功とはいえど、最初の真珠湾攻撃を中途半端な形で終えたがため、総合力で圧倒的な優勢に立つ、米国の早い立て直しがなされ、日本は時とともにじり貧になっていった。真珠湾攻撃以後、最初の一撃が予想外にうまく行ったためか、消極姿勢が軍部内で優勢となり、米国艦隊が出てきたら連合艦隊で叩こうとする作戦に変わり、その間に戦局が大きく変わっていき勝機を逃した。連合艦隊山本五十六司令長官は戦略、戦術に長けていても、義理人情に厚かったため(日本ではこの傾向の人が好かれるが)、最後まで、航空に疎い南雲中将を解任できなかった。
 様々なことが敗因としては考えられるが、言いたいのは「その当時圧倒的に劣勢だった日本が米国という大きな組織、国家を打ち破るには、革命的な戦略で真珠湾を攻めたのであれば、犠牲を考慮せずに革命的に任務を遂行するより方法はない」ということである。山本五十六に児玉源太郎のような芸ができれば。精神力よりも画期的な武器,兵器の開発に力をいれていれば。最初の目的を初志貫徹していたら。などなど言いたい事はあるがこれらについてはまたそのうち述べたいと思う。
 研究においても個や小さなグループが欧米の精鋭部隊の研究室や大研究室に勝つためには目標を決めたら、画期的なアイデアで出し抜き、一気呵成にそのまま突っ走るよりない。並の研究室においては機動力は常に有力な武器であり、これを活用しない手はない。努力すれば誰でも機動力を発揮できるようにはなれる。将棋でも攻め始めたら最後の歩一個になろうとも、攻め尽くすしか勝ちはない、一旦休息すればたちまち形勢が逆転し、攻め滅ぼされる。

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