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良いジャーナル程一論文あたりの著者の数が多い?

2012年11月16日 18:54

Big Science程いいジャーナルに載り易い?

Big Scienceが盛んになり、研究室単位、個人単位で行なうSmall Scienceが衰退しているというブログを書いたが、最近ジャーナルに目を通していて気づくのは、やたらと著者の多い論文が目につくことである。

最近の論文はoriginalityの要求の他にデータの信頼性、正確性を強く求めるあまり、非常に多くのデータを要求する。当然、細胞などの写真の奇麗さは言うに及ばず、様々な角度からデータの信頼性を証明する必要がある。技術的にできることならなんでも、簡単に動物実験などでの実証をも要求する。そのため、データは膨大になり、やたらとsupplementの図が増えて図が10まであるのに、その中に更に7−8個の図が入れられている。
それを個人や一研究室で揃えるには、莫大な労力と時間がかかる。そのため、小さな研究室でNatureやCellやScienceなどのtop journalに載せる事は益々難しくなっている。それに対し、大きなグループで疾病に関与する遺伝子の解析やtranscriptomicsやプロテオームなどの網羅的な解析を行なって行く、Big Scienceは発信する情報量も多く載り易い。

現状としてNature, Cell, Scienceに載った論文の一論文あたりの著者の数はどうなのかを調べてみた。調べたのはここ3−4ヶ月に載った生命科学関係の論文。
Total の論文数は233で著者の数が1-5人は56、6-10人は89, 11-24人は67で25人以上が21あった。
これから見ても分かるように、5人以下の著者の論文数が少ない。しかし2人の場合も14報あった事は小さな研究室でも頑張っている所もあることを示していて頼もしい。多くの論文が6-24人の間にあり、数は156と掲載論文の半数以上を占め、多数となっている。驚く事に、25人以上の論文が21あり大規模な共同研究によるBig Scienceが多くなっていることを裏づけた。

ジャーナルによる傾向を見るとNatureの場合5人以下が27%, Scienceが30%なのに対しCellは20%と低い。一方、25人以上はNatureが14%, Scienceが8%, Cellが7%である。また6-24の著者数はNatureが60%(11-15が13%, 16-24が14%), Cellが74%(11-15が21%で16-24が12%)でScienceが63%(11-15が19%で16-24が6%)となっている。
この結果から分かるように、Natureは多くの研究者が共同で行なう必要のあるgenome研究や疾患遺伝子などの研究が好きな事が分かる。一方、Scienceはどちらかというと小人数の研究が比較的多く載っている。CellはBig Scienceというよりタンパク質構造研究や細胞生物学などの事象を扱うSmall Scienceを比較的多くの人数で行なっている例が多い。
一方、JCBやJBCの一論文あたりの著者数は圧倒的に10以下が多く、5人以下もかなりあり、Small Scienceの投稿先と成っている。20人以上の研究者が関わっている例は稀である。確かに、細胞生物学や生化学の領域はまだ網羅的な解析よりも、タンパク質複合体の解析や細胞内局在、タンパク質修飾による活性制御機構やタンパク質の高次構造を扱った研究と少人数や小さな研究室でも出来る。しかしながら、これらのジャーナルの人気度は昔程ではなくなってきているのも気になる。

いずれにしても、5人以上の研究による成果がNature,ScienceやCellと言ったBigジャーナルでは圧倒的だと言える。つまり多くの論文はBig Scienceではなくとも、大きな研究室でボスの指導の下、工場規模の多くの人が分担して進めるという分業制で行なわれた研究が一流のジャーナルには載り易いという傾向にある。
膨大なデータと正確さを要求する現代Scienceにおいては規模の大きさを生かした研究に成らざるを得ないのかもしれない。
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