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研究職も就職難

2013年03月18日 18:32

ドクターは取ったけど

昨今、大学を出たからといって簡単に就職できる訳ではない。一つには企業の求める人材と実際に卒業してくる学生の間に大きなギャップがある。昔は、企業は大学での教育などあてにしないで、潜在的に優秀な学生を採って、自前で会社に必要な教育をした。今は、どこの企業も余裕が無いため、即戦力で、すぐに役立つような学生をとりたがる。
一方、学生の方は少しは変わったといえども,目的意識をもって勉強していないし、従来同様古くさい学問(知識の詰め込み)を勉強している。ある程度、面白く論理のきいた文章を書き、前向きな話もするが、誰の話を聞いても同じような事を言い、金太郎あめそのもので,個性が感じられない。一通り優秀なのだけどそれ以上でもないしそれ以下でもないし、覇気がない。

では研究職とくに大学、研究所への就職の場合どうであろうか?なにしろ政府が博士課程の定員を現状を考えずに大幅に増やしたため、多くの博士課程修了者がでるが、それに似合ったポストの数がない。問題なのは博士課程を出ても一人で研究が出来ない。論理的思考に欠け、自分に都合のいい解釈をする。また自分のデータよりも、すでに出ている論文のデータを信じ、それに合わないから自分のデータが間違っていると思い込む。英語で論文が書けないなど、明らかに博士の質が低下している、など学生側にも問題はあるが、そんな問題を越えて、アカデミアへの就職は遙かに厳しい。

非常に優秀な者は大学院を出て直ぐに助教のポストにつく者もいるが、大多数はポスドクをすることになる。いったんポスドクをするとなかなか助教に上がれない。なにしろ一名の助教の公募に50人も100人も応募する状況では、不可能に近い。ポスドクをあちらこちらで繰り返し、渡り歩く度にテーマが変わり,益々研究の質が低下してしまう。そして気がついてみれば40歳近くになってポスドクの年齢を越えてしまう。こうなると悲惨。

そんな困難な競争を勝ち抜くにはどうすればいいのか?決まった答えがある訳ではないが、少しばかり長く生きて来た年寄からのアドバイス。

当然ながら、第一に面白い現象を研究し、質の良い論文を超一流紙に複数書いている人は向う所敵無し、簡単にポストが得られる。しかし、Nature, Cell, Science (NCS)誌に筆頭著者として論文を発表している学生、ポスドクがそんなにいる訳ではない。たとえ、それらの姉妹紙への掲載を考慮しても非常に少ない。とすれば、他の要素が重要視されるということ。

その要素として大きいのは、iPSやmiRNAなどのようにこれからも領域が拡大し、応用が大きいと予想される分野で研究し、そこそこの論文がある事で、ポストが得られる確率はうんと上がる。流行に早いうちに乗れである。第三は、掲載誌のランクはそれ程でもないが、毎年着実に研究成果を論文として発表し、よくやっているとの成果がうかがわれることと、数が少ないがその中にインパクトファクターが7−10クラスの専門分野でのトップのジャーナルへの掲載があること。
第四は毎年のように学会で積極的に発表し、同じ分野の研究者と交流し、人間関係ネットワークを構築しておこう。論文は読んでくれないが、どこかのボスが学会の片隅で発表を聞いていて、研究が印象深く面白ければ、採用時に候補として別枠で考えてくれることもある。
第五はサイエンス以外の要素、これは思っているより重要なのだけど、ボスが推薦してくれ、人物の良さを売りにしてくれる事。研究室は小企業、零細企業と同じで,研究室の経理、運営、管理、学生の指導、教育など研究面以外にやらなければいけない事が山ほどある。という事はこれらの雑用を率先してやってくれるスタッフが絶対に必要だという事である。だからそこそこに研究ができ、そして人格が温和で協調性があり研究室の運営を文句言わずにやってくれる人は非常にありがたく、採用にあったってかなりの上乗せ点がつく。
ただし採用にあたって、2−3人に絞った後、どのような場合もプリゼンを求められる。分かり易く、簡潔に自分の研究を説明する能力は必要だ。論文などの実績で劣っていてもプリゼンで逆転する事は少なくない。よって、研究目的、何を明らかにしたか、研究の意義、独創性、将来展望などをいれて分かり易いスライドを作ろう。

どの点を重要視するかは大学によって研究室によって違う。旧帝大クラスの大学は研究重視の研究室が多く、まず研究の質の高さ、(多くの場合インパクトファクターの高い論文数)が判断基準の一番にくる。自分が属している研究室から一流ジャーナルへの論文が出ていない場合、どうするか?多分、その研究室に残っていても一流ジャーナルへの掲載は難しいであろう。そこでどうしても研究者として成功し、big laboを主宰することを目指す野心的な人は欧米の名の通ったボスの所へ留学する方が良い。欧米の一流の研究室では一流のジャーナルに論文を載せるチャンスが飛躍的に上がる。もしそれで、NCS誌に数報発表することができれば、帰国して良い研究室に職を得られる確率や独立して自分の研究室を持てる確率はうんと上がる。
しかし多くの地方国立大学や私立大学の研究室では研究と教育や教室運営への比重が逆転する。この場合は、人がいいとか教育熱心という評価が価値を高める。
採用にあたって、研究室の誰かに評判を聞かれる。その際、変わり者だとか、協力しないとか、データが汚いとかのネガテイブの評価をされない様、日本社会では何よりも人間性に問題ありとされるのが一番嫌われる、周りに敵を作らない事。
でもNCS誌に多数出して、研究のトップを走っている人には、そんなこと全く関係ないが。
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