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研究職と非研究職

2014年05月20日 18:12

 研究者はもっと社会に飛び出よう

  前にも研究職の就職難のことをブログで書いた。その原因は社会での需要も考えずに政府が博士課程の定員を大幅に増やしたことにあった。ポジションを増やさずに博士を増した結果、当然の事ながら卒業しても行きどころがない博士取得者が増え、社会問題になった。全ての博士取得者が研究職につけるポストは当然無い。いきおい、競争が激しくなり、一つのアカデミックなポストに何十人もが殺到するということになった。このようなひどい状況が続いたため、政府はポスドクを大幅に増やし、それで急場をしのごうとした。しかしポスドクは永久のポストではないので、問題を先延ばしにしただけである。そこで今度は任期制のポジションを増やしてそれにあてるという応急処置を取っている。しかしこのポストとて一時的なもので、世の中でよく言われる非正規職員なので任期のない正規職員にならなければならない。事態はちっとも改善していない。

少子高齢化社会にあって、研究職のポジションは増える見込みは立たない。今いる大勢のポスドクを含む非正規職員の行く末をどうしたらいいのであろうか?どう考えても博士所得者を研究職以外のポジションに活用して行くしかすべは無い。博士課程で学んだ科学的な論理構成のしっかりした考え方、より深い研究分野の掘り下げ、論理的文章の書き方など様々な優れたskillを社会に生かさない手はない。

 そんな折、ScienceのEditor-in-Chiefが書いた研究室の外での活躍を推進しようと言う巻頭言が載った。
    Think Outside the Lab (Science 344, 672, 2014)

 先月US National Science Foundation(NSF)はScience, Technology, Engineering, Mathematics (STEM)、の博士卒業者の惨めな現状についてレポートしている。それによると、それらの博士取得者の失業率が上昇し2010年には2.4%に達した。それらは全てのアメリカでの労働者の失業率(8.2%)よりも低いけれど、多くの年月、専門的な教育やトレーニングに投資して来た優秀な学生にとって失望するものであった。さらに、NSFの調査によれば、2008年には科学、工学、生命科学での博士取得者のわずか16%しかドクター取得3年以内にアカデミアでのポジションを得ていない。

しかし研究室以外のポジションにも目を向けそちらの方向に進む事を考えているSTEM doctorにとっては雇用の見通しは改善してきている。
最近、私は非研究職雇用へのアドバイスをおこなうScience Carrier Webinarという会に参加した。この活動はまさにタイムリーで前もってWebinarに登録する人は6000人にも及んだ。それはこのcarrier 達が参加する他のWebinarの平均よりも遙かに多かった。そこでUS National Institute of HealthのPostdoctoral service 室のdirectorのDr. ConlanやBoeing 社のgeopolitical affairsのdirectorのDr. Goelと一緒になった。
 様々な非研究職ポジションの出現で我々自身情熱を追い求めることが可能になり、それが自身のcarrierを追求しつつ家庭と仕事のバランスを保つ柔軟さを与えるということで我々の意見が一致した。我々が非研究職のCarrierに移ったとしても、それはちっとも残念なことではなくむしろchallenging なととだと言える。

Webinar の参加者が昔からの博士過程のプログラムでは十分にカバーできない非研究職において重要なskillについて質問した。

非研究職で必要なskill, まず、communication のskillがそのリストのトップにあげられる。特に、様々な人々へ複雑な科学の概念を説明する能力。これに関連して、如何に科学が他の分野へ応用できるかを理解する第一歩となる様々な事を聞く能力。リストのトップにくる他のものとして、如何に自分の長所と短所を認識し、問題を最良の状態に持って行けるか、バラバラのチームをまとめあげ個人ではなし得ないものを作り上げて行くことが出来るかがあげられる。
驚く事に、多くの博士研究者は受けて来たトレーニングや経験で得たskillに自信過剰になっていることを自覚できていないし、彼らが思っているよりもそのskillが外部のポジションに適していることを認識出来ていない。
長期にわたってあるプロジェクト遂行に様々な専門の同僚と協力し合ったり、研究計画書を提出するのに、複雑な領域の案を立案するのに、大量のデータを解析するのに、有意義に委員会の活動に貢献するのに、研究室以外のskillを要求される。

STEM領域での博士の専攻で社会へのドアが閉められるというより開くと考えられる。しかしこのドアを開くのは容易ではない。いろいろなポジションに申請する前に、申請者は自分の経験の広さを考えるべきであり、自身を素直に評価すべきである。チームの一員として働くのに適しているのか?それともリーダーとして働くのに適しているのか? 何を最も評価するのか。正しい問題を解決できるのか? 正確に解決できるのか? 仕事を完了できるのか?如何に仕事に対して感じているのか?
laboから移る事を考えている人はおおぜいいる。この転職は全てのcarrier levelで、様々なmotivationで起っている。理由がどうあれ、多くの人がこの路を取り成功している。諸君も同様に研究室から飛び出し活躍できる。

 やはり多くの博士研究者の経験を生かして、研究職以外の職業、ベンチャー企業、官僚、企業での将来計画、企画の立案に携わる人を増やし、博士過程をでた人材の優秀なskillを認めてもらう事が必要であろう。高度に細分化した専門分野とそれを応用した製品は爆発的に増えている。博士課程でトレーニングされた能力の持ち主でないとそのような分野に対応できない。
 言ってみれば、理系博士取得者の活躍の場は研究室外にも広がっている。一人でコツコツ研究するよりも、大勢の人とかかわっているのが好きな人、マネージメントなどの管理能力のある人、科学技術政策作りに興味のある人などは積極的に研究室の外で活躍する事を考えてみよう。
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