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人類が起こす生物大量絶滅

2014年12月26日 15:20

生物多様性の危機

人類が科学技術や文明を発達させ、豊かになればなるほど、逆に生物の多様性は壊れていく。非常に多くの生物種が急激なスピードで失われている。サイや象のみならず、日本人の好きな黒マグロやうなぎまでもが絶滅危惧種に指定されるという。Natureから生物が置かれている現状についてのReportが出た。
Life Status Report (R. Monastersky, Nature 516, 159-161, 2014)

多くの生物種が絶滅の危機に瀕している。3.5億年前に地球上に存在していた種の95%が消滅した。それらの多くはいわゆる大量絶滅した. この大量絶滅は地球上に起った急激な環境の変化、(火山の噴火による酸素の減少や太陽光の遮断、隕星の衝突など、ペルム紀の大量絶滅)によって大量の種の絶滅がおきている(本Blogの過酷な自然環境を生き残った哺乳類参照)。
過去の絶滅についてどうしてどの程度の絶滅が有ったのかなどの研究者の見解は一致している。しかし、しかし今日どのくらい生物が存在するのかどのくらいの早さで消失しているのかは不確定である。
動物種、植物や菌種の数の推定は2百万より少ないから5千万より多い、まで幅が有る。問題は地球上の多様性のほんの一部しかサンプリングできない事で、ほとんどの未知のグループは非常に狭い領域にのみ生息し急速にその住処が破壊されている事である。自然保存の国際機関は絶滅危惧種のレッドリストで不確実性を言っている。そのレポートでは76,000種以上が前の調査時より増えていると言っている。しかしこれは1.7百万種の4%にしかなく信頼できるデータとはならない。
これらの警告を考慮しながら Natureは地球の生命に関しての状況を示す信頼のおける、データを発表した。評価できるグループのうち両生類は、一部ツボカビによって引き起こされる致命的とも言えるepigeneticの効果のため最も危険にさらされている。哺乳動物や鳥は住処を奪われたり、狩猟の対象になったりして絶滅の脅威に晒されている。更に天候の変化が急でそれも絶滅を促進させている。将来予想を絶滅速度が一定だと仮定して、一年に全生物の0.01から0.7%と推定されているが、これには大きな不確定さがある。一番速い速度だとして、一年に数千種が消滅する。もしその傾向が続けば、大量絶滅につながり、来る数世紀で75%の種が失われる。保護政策により絶滅を遅くする事はできるが、今日の傾向では防ぐ事には悲観的である。種を保護するために設けられた土地や海の領域は広がっているが、生物多様性の観点から見ると種に対する圧力は増加している。一般に、生物多様性の状況は多くの場合、明らかに悪くなりつつある。
不確実性はあるけれど、研究者たちは生物多様性への今日及び未来の危機の評価が大切で、もっと注目をする必要があると言っている。一つの解決策は如何に人の活動が環境を変えるかを予測できる統合的コンピュータモデルを開発することであろう。このような一般の環境システムのモデル, GEMは今年の始めまでは未成熟であった。
Tittensorとその同僚は気候モデルが大気や海洋をまねたように、全ての地球上での環境上の相関を模倣できる最初のグローバルモデルからの最初のデータを公表した(M.J.B. Harfoot etal. PloS Biol. 12, e1001841, 2014)。
 モデルでは体重が10 μg(小さなプランクトンレベル)から150,000 kg(blue whaleレベル)を現そうとしたためGEMの作成には3年かかった。まだより多くの改良とテストが必要で、理想的には多くの多様なモデルが存在することであろう。もしコンピューターで生命の広がりを捉えるような堅実なやり方をするのであれば、我々が気づかないような問題を警告してくれる能力を持つであろう。
 過去の地球の歴史において5回の大量絶滅が起こり、75%の種が失われた。これらは全て突然の自然環境の変化で生じた。今日、通常のスピードでいけば1000年以上大量絶滅は起らない事になるが、このまま行けば自然の変化ではなく、人類によって引き起こされる大量絶滅を2200年までに迎えることになるであろう。


参考:
 絶滅:1500年以降にすでに絶滅した種として:哺乳類79、鳥145, 両生類36, その他505, Total 765種がある。
 絶滅危惧種:絶滅が危惧されている種:哺乳類1199 (全体の26%), 鳥1373 (13%), 両生類1957 (41%) 昆虫993(?), Total5522種があげられる。
 
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生物模倣(Biomimetics)の製品化への道 

2014年12月10日 13:30

生物模倣と進化 

 生物の持つ特殊な機能を模倣して工業製品を作ろうとする試み(Biomimetics)については以前のブログでも取り上げた。しかし製品化できた例は少ない。この障害を乗り越えるための方策として進化論的考察が必須であると言う。 Biomimetics and evolution. Patek, SN: Science 345, 1448-1449 (2014)

 生物模倣は生き物の持つ特異的な特徴が様々な工業的困難さに対して新たな解決策を与えてくれるという考えに基づいている。しかし今までに、生物模倣は盛んに研究されて実用化への試みが多くなされて来たが、製品化されて成功した例は少ない。生物システムを応用して工業化に成功した例としてイガの衣服や動物の毛皮への付着を模倣したマジックテープが有名であるが、モルフォ蝶の色彩や蜘蛛の糸などを大々的に応用した例はまだ聞かない。

 生物学的機能の模倣には成功するが、大規模な工業化には至らないのはどうしてであろうか?この論文では「生物学的特色をピンポイントで取り上げ工業製品に模倣するには生物がその特異的機能を獲得して来た過程で様々な試行を行なった、進化論的な見地からの改良が必要である」と言っている。
例として、ヤモリを模倣した粘着物質の開発において、生物模倣と進化論を結びつけるアプローチが生物模倣を工業化する戦略として極めて重要である事が示された。

 ヤモリは天井を逆さまで這ったり、ガラス面に張り付いたりする事が出来る事でよく知られている。今日まで、生物模倣の研究は接着の中心的役割を果たすヤモリの足に生えている細かい毛を重点的になされて来た。細かい毛は接着面に対して密着でき、様々な面に粘着物質なくして接着出来る。しかしながら大規模工業化において問題が出て来た。それは模倣される細い毛がそのままスケルアップすると大きな力に耐えられなくなることである。
 解決策としては細かい毛で覆われた膜の進化的解析を行なって、足の裏の面積や、動物の大きさと接着、脱着との関係を明らかにすることが重要である。
 
  研究チームは盛んに行なわれている細毛膜の研究から離れて、接着膜の進化論的解析からの見解と接着の物理学と結びつけた。そして彼らは最大接着力をインターフェースの分子間結合の強さ、接着面積、システムの信頼性と関係づける膜の式を提唱した。この仕事は線維と柔らかい素材、polydimethylsiloxane(PDMS)、を組み合わせることで、非常に細かな線維を必要しないでマイクロメーターからサブマイクロメーターのスケルでの接触を可能にするヤモリの皮膚の発明へと導いた。

 ヤモリの皮膚の接着は効率的で、いろんな規模の接着に理想的な柔らかさと硬さのバランスを持ち、臨界力での急激な脱着を行い、最適な弾性エネルギーの貯蔵による最小のエネルギーの使用を行なう。これらの性質は弾性エネルギー転移のために物質の粘弾性を使用し、脱着には連続した力を要する従来の繊維で行なわれる接着とは異なる。このようにして開発されたヤモリ模倣皮膚製品は十分な接着力を発生し、大きな面積へと拡大でき、様々な種類の表層へ応用できた。そして粘着質でなくdryで再利用可能で、大型化でき清潔でもある。

 ヤモリの進化の歴史を通して、その接触がある特殊な条件下によって異なった有用性を示し、細かい毛が繰り返し出来たり失われたりしている事が明らかとなった。模倣ヤモリ皮膚の発明は接着膜の進化の解析と接着の物理を組み合わせてなされた。比較研究は生物模倣において、重要さを増しているが、進化的解析を含まない統計学的解析は誤った相関を引き起こす。さらにヤモリ皮膚膜の解析には統計学を組み込んだ系統発生との相関を必要とする。
 

結論:生物模倣に於いて単独の種での研究では限界があり、進化の歴史の包括的なデータを利用する事により、生物から市場へ、コスト効果のある効率的転用を行なえる。


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