スポンサーサイト

--年--月--日 --:--

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。

零式戦闘機の開発

2009年01月27日 17:48

零式戦闘機の開発:長所と短所

誰もが知る海軍の代表的戦闘機零戦。堀越二郎設計の三菱重工で開発、製造された。生産は14300機に上り、アメリカ海軍のヘルキャットF6F,アメリカ陸軍のムスタングP51-Dとともに、第2次大戦の優秀な戦闘機とされる。三菱航空機の堀越二郎が設計主任となり、極限にまで性能を突き詰めた戦闘機として大戦前半においては向かうところ敵なしに状態であった。要求性能が高いため様々な新しい試みがされた。その一つに住友金属が新たに開発した世界に誇る超超ジュラルミンを採用した事で、30キロ軽量化に成功するなど、軽量化が極限まで追求された結果、航続距離が他の戦闘機に比べ圧倒的に長く、俊敏に操作できる飛行機となった。しかし極限にまで性能を追い求めた結果、大戦の後半でより馬力の強いエンジンが米国で開発され、それを積む飛行機が投入されたのに対し、零戦に大きなエンジンを積むのは不可能であった。そのため、零戦の優位性が次第に失われていった。

日本海軍は昭和7年に航空技術の自立を目指し、機体とエンジンの開発に踏み切った。航空メーカーの中島飛行機はアメリカのライト社から「サイクロン」の製造権を買い、それが「光」の開発につながった。三菱はアメリカから「ホーネット」の製造権を買い「金星」を開発した。昭和10年頃になると700-900馬力の様々なエンジンが開発されたが、中でも中島の「栄」と三菱の「金星」が傑出していた。
堀越は零戦開発の基本計画を進めていた昭和13年のはじめ、それに積むエンジンで悩んでいた。当然自社製のエンジンが使いたい。大出力エンジン、九六陸攻に搭載され実戦にも使われ、1070馬力に改良されていた「金星」40シリーズがあった。このエンジンは戦闘機に積むにはやや大きい感もあるが将来の出力アップや戦闘力増大を考えると最適であった。しかしその当時のパイロットは小型で運動性能のよい戦闘機を好んだ。そのため、堀越は金星より一回り小型の「瑞星」を選び搭載した。しかし、改良を重ね出力が1080馬力にあがっても次期主力戦闘機用としてはものたりなかった。中島は一時、三菱との開発競争から降りていたが、空冷星形14気筒エンジン「栄」12型を開発し、再び競争に参入してきた。このエンジンは重量が瑞星と同じ530Kg程度であるにもかかわらず、出力は950馬力で瑞星を70馬力以上も上まっていた。しかも2速スパーチャージャーをつければ1100馬力以上にパワーアップが見込まれた。その結果海軍は三菱に中島の栄を零戦に積む事を要求した。たしかに栄はすばらしいエンジンではあったが1080馬力が限界であった。戦争初期には連戦連勝であったが、より大きなエンジンを積んだ敵戦闘機が出現するとかげりが見え始め、防弾、火力の強化、性能向上など後におこる要求にエンジンが対応できなかった。元々排気量の大きかった金星は昭和16年には1500馬力のエンジンへと改良し、昭和20年、戦争も終わりに近づいたころ金星を装備した零戦(A6M8C)が生まれた。時既に遅しの感があった。

もう一つの大きな零戦の弱点は防弾、防火設備が貧弱なため、パイロットの被害率がきわめて高く、多くの熟練搭乗員の命が失われた。日本の飛行機は機銃掃射を受けるとたちまし火を噴いて墜落していく。しかしアメリカの戦闘機、やB17などの爆撃機は被弾しても火を噴かない、落ちない。さすが日本軍もあまりの人的被害の大きさに燃料タンクが発火しないように、撃ち落としたB17の燃料タンクを調べてみると、燃料タンクは何層もの重ね合わせ構造になり、被弾するとスポンジゴムが穴を塞ぎ、ガソリンが漏れるのを阻止するしくみになっていた。ガソリンタンクは空気がないため、弾があたっても発火しない。漏れだしたガソリンが引火して発火する。そこでガソリンが漏れださない構造になっていたのであった。早速日本もこの装置を取り入れ、新たな消火装置も開発して搭載した。しかし日本の技術者達は空力的洗練さと軽量化に骨身を削り、防火対策にまで手がまわらなかった。精神主義が受け身的な装備の開発を遅らせた。気づいた頃には勝敗がついていた。

日本もドイツも戦闘機開発では同じような過ちをしている。とにかく性能向上、戦闘能力重視と職人的な技を好んだ。一方のアメリカはトータルとしていい戦闘機を造る事を心がけた。生産のしやすさ、部品の補給、修理のしやすさ、人命尊重など。それらが日本ではあまり顧みられず、精神力でカバーということになってしまった。短期決戦ではこれでいいかもしれないが長期戦には向かない。第2次大戦の技術面でも負けてしまった。

写真1:零式戦闘機;写真2:三菱4240号の製造番号が見える


靖国#9314;
靖国3

スポンサーサイト


コメント

    コメントの投稿

    (コメント編集・削除に必要)
    (管理者にだけ表示を許可する)

    トラックバック

    この記事のトラックバックURL
    http://explore525.blog45.fc2.com/tb.php/114-e19e3a5b
    この記事へのトラックバック


    最近の記事


    上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。