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Spider Hunter

2009年10月15日 17:04

ベッコウバチ
狩人バチとも呼ばれ、主に蜘蛛を獲物とする。蜘蛛は虫を狩るハンターであるが、さらにそのハンターがベッコウバチである。名前のように羽が鼈甲色している。英語名は蜘蛛を狩るという意味でSpider Waspと呼ばれる。Waspはスズメバチののようなミツバチ(Bee)より大型の蜂を示す。

北海道をのぞいて日本国中に分布し、神社やお宮の境内でよく見られる。大型の女郎蜘蛛やナガコガネグモを攻撃し、巣から落として、針で蜘蛛の口の周りの神経が集中しているあたりをめがけ麻酔剤を打ち込み,生きたまましびれさせ土の中の巣に運び込む。狩られた蜘蛛は仮死状態のまま幼虫の生き餌として使われる。巣に運び込んだ蜘蛛は生きたまま卵を産みつけられ、卵から孵化した蜂は蜘蛛を餌に育つ。

南米に生息するオオベッコウバチは世界最大の蜂で体長6cm以上にもなり、タランチュラホーク(Tarantula hawk)とよばれる。巨大な毒蜘蛛タランチュラ類の天敵である。大型の毒蜘蛛を見つけると急降下して襲いかかり、巨大な蜘蛛の毒牙をかいくぐり、針をさして麻痺させる。蜂は空を飛んで蜘蛛の攻撃をかわし,蜘蛛をスピードで翻弄し,疲れさせ、一撃を加え、ほぼ100 %蜂の勝利に終わる。

ベッコウバチが蜘蛛を獲物とすれば、さらにその上を行く策士がいる。上前をはねる同種の仲間や寄生バエ、寄生バチなどである。巣穴作りに夢中になっている間にちゃっかりクモを盗みだし、自分のものにする。もっとずる賢い盗っ人は、クモを捕まえたベッコウバチが産卵する前にクモに産卵する。すごいのは盗っ人の幼虫は卵からふ化し、持ち主のベッコウバチの卵を食い殺し、クモを自分の食べ物にして成長する。極め付きは「労働寄生」と呼ばれるもので、一度埋められた穴を掘り返して、クモに産卵し、埋め戻し、ベッコウバチにかわって自分の子孫を残す。

このようなことはだれが教えた訳ではないけれど、進化の過程でどんどん手を抜いて、楽に生きられるよう、ずる賢い遺伝子の進化合戦が起こり、あの手この手を考えて出し抜く奴が現れて来たのであろう。どの社会にもそのような輩はいるもので、正業に精を出さず、俺俺詐欺や、やらなくてもいいリフォームを高い金をふっかけてさせるなど、上前をかすめ取る人間社会とそっくりである。ひょっとしたらこのようなずるくたちまわる遺伝子は進化の過程の初期の頃にもう確立していたのかもしれない。

最後に科学的なことを一言。この蜂の毒はPompilidotoxin(PMTX)で、ナトリウムチャンネルの不活性化を阻害する。α-PMTXは13個のアミノ酸よりできていて、配列はArg-Ile-Lys-Ile-Gly-Leu-Phe-Gln-Asp-Leu-Ser-Lys-Leu-NH2であり、β-PMTXは12番目のLysがArgに変わったものである。両者とも作用は同じ。

写真:ベッコウバチが自分より大きな蜘蛛を狩る。

bekkou_s004.gif
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