スポンサーサイト

--年--月--日 --:--

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。

寄生生物2

2009年12月14日 17:36

フクロムシ ああこれでカニがーーー。

 寄生動物はもともとは自由生活をする種から進化したと考えられている。寄生性の獲得は、独自に、何度も起こったようであり、寄生生活への適応の結果、形態の大きな変化が起こる。吸収や附着、生殖に関する器官が発達する一方、多くの場合に消化器官、感覚器官や運動器官が大幅に退化する。

フクロムシという寄生生物がいる。甲殻類に属するが、エビやカニというよりもフジツボ類の仲間に近いらしい。体節や付属肢はなく、寄生に特殊化して特異な形態をしている(図参照)。フクロムシはカニの腹部にくっついて生活しているが、体は大きく2つの部分に分けられる。袋状になって体外部に出ている部分はエクスターナ(externa)とよばれ、繁殖のための器官であり、本体はインターナ(interna)と呼ばれ、これが木の根っこのようにカニの体内に拡がり、養分を吸い取る。フクロムシは宿主内にあるinternaが生きている限り、いくらexternaを切り取っても死なない。Externaは再び生えてくる。まるでキノコのように、形は変化させるし、いくら切っても死なない、しぶとい奴なのです。

プランクトン状態の幼生(雌)が海中を漂いながら幸運にもカニに付着すると、細胞塊を注入する。それがカニの身体を移動して所定の位置に納まると、カニの体内に根を張り寄生完了。その後やはり幼生の状態で同じカニにたどり着いた雄を取り込み生殖を開始、袋状の卵巣(体外部)をカニに抱えさせる。普段良く目にするのは全てメス。つまり、externaを発達させるのはメスだけと言う事です。オスは何をしているのかというと、キプリスという幼生段階を経て、精細胞に分化した後で生涯を終えてしまう。オスは、種の存続と繁栄の為の道具に過ぎないとでもいうのでしょうか。メスは何年も生きるのに対し、オスは、おそらく、長くてほんの数ヶ月の命で、受精したらもう御用済みです。

フクロムシは、寄生後徹底的に宿主を去勢します。カニの生殖能力を全くなくしてしまい、単なるフクロムシの繁殖の道具にしてしまいます。雌ガニの場合は外見は普通の雌で、まあ、一見卵を抱えたカニに見える。しかし、雄の場合はそうはいかない。がんばって代わりに「卵を産んで」もらわなければならない、ということで雄はフクロムシの寄生によりメス化させられてしまう。カニのお腹のいわゆる「ふんどし」と言われる部分が細いのが雄、幅広いのが雌というのがカニの簡単な雌雄の見分け方だが、寄生された雄は「産卵」に適するようにその部分がだんだん幅広に変化する。外見まで雌そっくりにさせられ、雄なのに大事げに卵を抱えせっせと異種生物の「産卵」に勤しむように操られる。そしてフクロムシが受精卵で満たされると、宿主であるカニはexternaの表面をクリーニングしたり、幼生放出時にはそれを補助するなど、行動まで操作される。つまり映画で見られるようにエイリアンによって個体が乗っ取られ、自在に操作されるようになるのと同じ事が起こっているのです。というより、映画の方がこれらの寄生生物の行動を参考にして作られているに過ぎないのかもしれません。
カニを食べる時に思い出しそうでいやだ。

このように無敵のフクロムシ君ですが、世の中には、上には上がいて、ヤドカリに寄生するフクロムシに寄生する等脚類(甲殻類の一種でフナムシ等の仲間)というのもいます。これまたベッコウバチの上前をはねる寄生バエと同じ。寄生の寄生、更にその上の寄生と生物の寄生には限りが無い。

行き着く所、最後の最小の寄生生物はウイルスにでもなるのであろうか? ウイルスも宿主を変え、感染、繁殖する。インフルエンザは元々鳥を宿主として繁殖していた。それが豚に感染し、人に迄感染するように変異し、大増殖のチャンスを狙っている。

図 カニに寄生したフクロムシ

hukuromusi006004.jpg
PIC031.jpg

スポンサーサイト


最近の記事


上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。