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疑似科学2

2010年01月20日 18:46


常温核融合

これが全くのインチキなのかそれとも少しは可能性があるのか全く分からない。常識的にはあり得る事ではないように思うのだが。あまりにも大きな研究テーマであり、実現すればエネルギー問題を一掃するインパクトを持っているので、次から次と成功したとの報告が出る。

常温核融合は1989年にMartin FleishmanとStanely Ponsが偶然にこの現象を発見した。しかし数多の研究者が追試を行ったものの、再現性がないことから、常温核融合はエセ科学の代名詞となっていた。ペンペンに知識が無いので、以下は人の書いた物の受け売り。
核融合というのは原子の中心にある原子核同士がくっつくことでおこり、その際質量の一部がエネルギーとして放出される。材料としては放射性物質は必要なく、大量に存在する水素を使って起こすことができる。しかもほとんど放射能汚染物質を出さないため、発電に利用できれば夢のクリーンエネルギーとなる。ただ、原子核はみな正の電荷を持っているので、核融合が起きるほど近くに二つの原子核を持っていくために消費するエネルギーの方が発生するエネルギーよりも今のところ大きく、実用性に欠ける。
通常の核融合実験で行われる「プラズマ核融合」というのは原子核をプラズマという状態にして核融合を起こすのだが、非常な高温と、プラズマ状態の原子核を閉じ込めておくための強力な磁場が必要であり、結局核融合で得られるエネルギーよりも多量のエネルギーを消費してしまう。もう一つ「ミューオン媒介核融合」という手法もある。これは電子の代わりにミューオン(電子と同じような性質を持つが電子よりも重いため、原子の直径が小さくなる)を使うことで水素分子中の原子核同士を接近させ、核融合をおこりやすくさせるというものである。こちらは高温を必要としないため、ある意味では「常温核融合」に分類することもできるのだが、以下のフライシュマンとポンズが行った実験と区別するためそういう呼び方はしない。ただし、ミューオン媒介核融合に十分な量のミューオンを作り出すには核融合から得られるよりはるかに大きなエネルギーを必要とする。要するに、現存する核融合の手法はいずれも消費エネルギーが生産エネルギーよりも大きいために発電の技術としては使えない、ということである。
以上のような研究は核物理学という分野で行われていたが、「常温核融合」のアイデアを思いついたフライシュマンとポンズは化学が専門で、特にフライシュマンは電気化学の分野では大家だったとのことである。核融合のネックが原子核同士を近付けることができないという点にあるのなら、プラズマやミューオン媒介といった物理学的手法ではなくなにか化学的手法でそれが実現できないか、というのが彼らのそもそもの発想だった。よく言われることであるが、二人の着想そのものは決して悪くはなかった? フライシュマンとポンズは、高校の実験でもやる水の電気分解に少し手を加えることで水素原子核を金属棒にぎゅうぎゅうに詰め込んでこの問題を回避できるのではないかと考えた。彼らが着目したのはパラジウムという物質であった。パラジウムには水素原子を吸収するという特殊な性質があり、これを使ってパラジウムの結晶中に重水素を詰め込むことで核融合が起きるほど近くまで原子核同士を近づけられないか、というわけである。重水素(原子核が陽子1つと中性子1つからなる水素)を使うのは、普通の水素原子核では軽すぎて近づかないことが最初から分かっていたからで、重水素も普通の水のなかにふんだんに含まれている。パラジウムに水素を詰め込むには、水の電気分解で、一方の電極にパラジウムを使えばよい。さて、実験してある程度肯定的な結果をえた二人は電気分解をするために1ワットの電力を投入したのにたいし4ワットの発熱が得られた、と記者会見で発表した。そのような発熱は通常の科学反応ではありえないため、彼らはこの結果を実際に核融合が起きた証拠とみなした。この記者会見では非常に概略的な説明しか行われず、しかも、記者会見の後に他の研究者が問い合わせを行っても、特許申請中を理由として詳しい実験内容についてはフライシュマンとポンズは公開しなかった。
 ユタ大学での発表はマスコミで大きくとりあげられ、報道の仕方も、ついに夢のエネルギーが実現か、といった肯定的な論調であった。しかし、記者会見での発表内容については当初から深刻な疑問が核物理学者の側から提示されていた。たとえば、報告された発熱から理論的に計算される放射線の量は軽く実験室にいたフライシュマンとポンズを殺すに十分だったはずだった。これに対し、彼らが報告した中性子の量は理論値の何億分の1というもので、しかも彼らはその差を説明するどころか、実験結果を説明できない物理理論の方が悪い、という論調であった。
そうなると、そもそも発熱量の測定が本当に信用できるのかどうかが問題となってくる。常温核融合で発熱が生じたと主張するためにはただ実際に電極が発熱しているというだけでは駄目で、それまでに投入された電力以上の熱量が生まれていなくてはいけない。フライシュマンとポンズは電気分解される水の温度変化から発熱量を計算したが、そうした計算は、外に逃げる熱であるとか、容器中の温度勾配であるとかといったいろいろな概算の要素がからんできて、それだけ疑いを挟む余地も多くなる。
既成の理論をくつがえすような実験結果に対しては他の研究者によって再現実験が試みられるが、常温核融合についても記者会見でのあいまいな情報をベースに、足りないところは想像で補って世界中で追試が行われた。追試はおおむね失敗に終わったが、ジョーンズのチームをはじめとして、発熱や中性子の発生を報告するチームもあった。しかしそうした結果にも再現性がなく、1990 年までには常温核融合は何かの間違いだった、ということで学界の共通了解が形成された。
しかしその後も追試に成功した(というか、見方によっては不幸にして成功してしまった)チームが集まって国際学会を定期的にひらいており、今でも毎年200―300 人程度の参加者があるとのことで、常温核融合研究者は小さいながらも安定した共同体を構成しているようである。
日本では北海道大学や大阪大学などで発熱や中性子の増大を観測してしまった。その結果、日本では「新水素エネルギー実証技術開発プロジェクト」という名前で1997 年まで国家予算で常温核融合の研究が行われることになった。しかし、これまでのところ、日本でも国外でも、安定して再現される実験手順を確立できたチームは存在せず、学界の共通了解がゆらぐ様子はない。むしろ、「再現性のないことを延々とやりつづけている奴ら」ということで、現在の常温核融合コミュニティは疑似科学扱いされることが多い。
この事例から得られる教訓はいろいろあるが、とりあえず、フライシュマンやポンズのような、自分の本来の領域では権威とされるような科学者ですら、チェックを経ないで言うことはこんなにも信用できない、という点は確認しておいていい。もし彼らが記者会見という発表形式を取らず、査読のある学術誌に投稿するという手続きを踏んでおれば、そもそもこんな騒ぎにならずにすんだ可能性は十分にある。逆に、「少なくともフライシュマンとポンズのやり方では常温核融合は起こせない」というのは、多くの人のチェックを経て確立されてきた科学的事実といってもいい。
しかし最近になって高名な物理学者、荒田吉明阪大名誉教授らが、大学で行った公開実験で、重水素ガスから高熱とヘリウム原子を検出し、低エネルギーの原子核反応を証明したと報告した。この常温核融合実験では、荒田教授はパラジウムと酸化ジルコニウムの合金を含んだ超微細金属粒子内に重水素ガスを注入するという方法を採用した。教授によれば、合金は重水素を核融合させ、粒子内の温度を高めることで、50時間は温かくしておくことができるのだとか。
いずれにしても常温核融合は夢のエネルギーに間違いなく、本当であればまさに画期的な発見になるであろうから、多くの科学者がその実現を試みるのであろう。それ自身は悪い事ではないのだが。

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