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2011年度科学研究予算

2011年01月25日 17:27

 
 Japan boosts competitive grants at expense of big science.
              Science 332, 132-133 (2011)

来年度の日本の科学予算の記事がScienceに載った。
科学研究にかける予算は増額するらしいが、その実感は個々の研究者にはない。その理由は用途を決め、年齢などの制限のついた補助金がやたら増え、誰でもが自由に応募できる研究費が非常に減っている事であろう。また個々の研究とは直接関係のないGCOEや振興調整費と言った訳の分からないひも付き研究が増殖している。また大きな分野をカバーし多くの研究者が潤っていた特定研究がなくなった。基礎科学の研究者にとって、以前は数カ所に出せた申請が今や文部科学省の科研費の基盤研究しか出せない。反面、医学応用可能な分野や製品開発可能な分野では潤沢なお金がつぎ込まれ、その分野はバブルとなっている。一方、大多数の研究者の研究費となっている基盤研究は益々競争が激しくなって来ている。

 記事
 菅直人首相は日本復活のための予算として来年度の基礎研究補助金の額を32%増の32 億ドルにする予定であると発表した。研究者らは非常に競争の激しい補助金の増額に喜んでいる。社会福祉や革新的な研究に基盤を置き、経済活性化のため、4月から始まる新年度の予算として記録的ともいえる1.1兆ドルの案が出された。政府内での科学予算の具体策は未だ編成されていないが、文部科学省は科学技術予算は3.3%上がって202億ドルになるであろうと予想している。国の経済状況からすると、非常に喜ばしいことだと川端文部科学大臣は述べている。
最大の予算の伸びは個人や小グループを援助する科研費となる(32%の伸び)。ここ数年、申請者の20%しか採用されてなく、多くの価値ある研究が援助されないまま放置されている。1965年に科学研究費制度が開始されて以来、最大の伸び率になるのに加えて、研究者はお金の使い方により柔軟性を求め、単年度に使い切らなくてはならないという規則が緩められる。
科学界からの要望に応えて、新しい予算は現存するプログラムを拡大し、若い研究者のキャリアー発展を育て、女性が出産後に研究に復帰し易いようにする予算を5.4%増額し4.14億ドルにする。
経済を活性化するための科学としての民主党の戦略はライフサイエンスとグリーンイノベーションへの投資であり、それは9%増えて9.32億ドルになっている。それらは幹細胞研究、再生医学や次世代がん治療や神経科学を含み、更に科学技術振興財団は効率のよいソーラーパネルのような分野のgame changingな研究を求めている。大型サイエンスにたいしての予算への風あたりは厳しい。民主党が政権を取るとすぐに、宇宙、地球科学や次世代コンピューターに対する予算は仕分けを受ける事になった。しかし新しい予算および補正予算は11月に決められ、最終的にはスーパーコンピューターにたいしての予算の継続が決まり、世界最速を目指して、2012年完成が計画された。宇宙関連予算は0.8%減少して2.2億ドル、この中にはハヤブサ回収プロジェクトに続き、2回目の宇宙帰還事業を行う3600万ドルが含まれる。以前では宇宙で行方不明になっていたハヤブサの継続プロジェクトは認められなかったが、宇宙の塵をもって地球に帰還して来た宇宙船が絶大な人気を博した事から、政治的にも暖かく見守られるようになった。一方、他の大型サイエンスの努力は報われず、原子エネルギー研究は3.7%減少し25億ドルとなった。極地、海洋及び地震研究は2.4%減少し6.31億ドルとなった。これには海洋地球科学技術財団の予算が4%カットされた4.33億ドルを含む。深海掘削船、Chikyuの運営費の予算カットも入る。財団の理事長は予算の圧縮により、Chikyuをオイル掘削のため民間への貸し出しも考慮しなくてはならないだろうと述べている。予算案は今月にも承認されるであろう。

基礎科研費2600億円、Life and Green Science 764億円、若手/女性研究補助 339億円、宇宙プロジェクト1800億円、地球科学517億円、原子力エネルギー2050億円
こうして見てみると圧倒的に大多数の人が申請する基礎科研費はなんとも少ない。昨年度のノーベル賞受賞者の根岸、鈴木両先生が危惧するが如く、日本の基礎研究はこれで大丈夫なのであろうか?
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