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飛行機の原型はアルソミトラの種子だという

2011年04月02日 13:08


植物の種子の風散布
自分では動くことのできない植物は、種族を広げるためにいろいろユニークな方法をとる。まずは飛行種子の王者とも言える熱帯雨林に生息するアルソミトラの種についてのお話。
タンポポのように風に乗って飛ぶ、綿毛や羽のついた種。水に浮かんで流される実。動物や人の体にくっついて運ばれる種。 鳥やけものに食べてもらって、遠くへ運んでもらい、糞として地上に撒かれる種。植物は種子を如何に遠くへ運び、繁殖させるかに知恵を絞っている。
赤くて甘い実はエネルギーや栄養を多く含んでいて、野生動物にとってはごちそう。植物はわざわざ動物に食糧を与えるために果実をつけるのではない。動物にごちそうをあげる代わりに、種を遠くへ運んでもらうためである。 しかし種子が未熟なうちはしぶかったり、にがかったり、すっぱかったりして、食べられないようにして、 植物にとっては大事なエネルギーを、むだに使わない戦略を立てている。そして、色が変わることで食べごろになったことを知らせる。 植物の実が熟すと赤くなり、目立ち、甘くなり、動物にはごちそうとなる。匂いも熟した香りを遠くまで風に運ばせ、積極的に動物に気づかせる。
スミレの花はいろいろなところにはえている。 このスミレの実は、実るとはじけて種を飛ばす。種には白い固まりがついているが、じつはこの固まりはアリにとって栄養満点のごちそうなのだ。 アリはせっせと種を巣に運び、白い固まりだけを取って種本体はそのまま残るというわけ。 こうして自分では動くことのできない植物が、アリという動物を使って分布を広げることができる。
このような植物はカタクリやカンアオイ、ムラサキケマン、スズメノヤリなどいろいろとある。アケビの種もアリが運ぶといわれてる。
スミレ、ムラサキケマンのように実がはじけ飛ぶタイプのもの、 アケビははじけないが、鳥や動物に食べられて分布を広げる。自力で散布するものと他力で散布するものと二重の分布拡大作戦がある。更にスミレはヒョウモンチョウ、カンアオイはギフチョウ、 ムラサキケマンはウスバシロチョウとチョウの食草になって運ばれるものもある。それにしても、昆虫と植物の長い進化の過程での共同作業というか、植物による動物だまし作戦というかにはドラマを感じる。
風に乗って種を運ぶという戦略をとる植物は、①種についた翼によるもの(カエデ類、ツクバネなど)、②種についた綿毛によるもの(タンポポ、ススキなど)、③種が微小でそのまま風に乗る(ラン科、モウセンゴケ)、など3種類に分けられる。
 その中で、風散布の王者とも言えるアルソミトラ/ハネフクベの種を紹介しょう。
東南アジアに自生するこのウリ科に属する植物は、 高木に絡んで生長する蔓植物で、数十メートルに生長したところで、人の頭ほどもある大きな果実を付ける。果実は熟すと下に穴が開き、弱い風でも揺れるたびに、羽根を持った種子がふわふわと飛び出してくる。ひとつの果実の中にある種子は数百枚で、きれいに「収納」されている。ヘルメットのような大きな実をつけ、その中に薄い大きな翼をつけた平べったい種を数100個も実らせる。この種は、グライダーのように風に乗って、時には数kmも飛ぶこともあるそうだ。
マツやカエデの種子は、風を使って回転しながら落下する。しかし、熱帯雨林に生息するアルソミトラ/ハネフクベは強い風を待つことはしない。風を使わずに、絡みついた高い木からグライダーのように飛んで、種子を遠くに飛ばす。
熱帯雨林にはたくさんの木が密集していて、風がほとんどないからだ。アルソミトラは木に絡みつき、高いところからグライダーのように飛ぶことで、より遠くに種子を飛ばすことを可能とした。また熱帯では上昇気流があるので、それに乗ってさらに遠くまで仲間を広げる仕組みにもなっている。実際に、アルソミトラの種子がどのように飛ぶのかについて観察されている。50mの高さから落下して、1kmも飛んだという調査結果もある。
滑空比と呼ばれる、落下に対する滑空距離が4:1であることが分かった。つまり、1m落下するごとに、4m滑空することになる。風があればさらに遠くへ飛ぶことができるはず。
このアルソミトラの種子の翼をヒントに、安定した翼の飛行機の平面図が作られた。ちょうどライト兄弟が世界初の人を乗せた飛行を成功させたころ、オーストリアの設計者イグナティウスとその息子イゴの二人は自然をヒントに飛行機を飛ばせないかと考えた。そして、イゴはアルソミトラ・マクロカルパの種子の滑空に関する論文を目にして、人が乗ることのできるアルソミトラ型グライダーを造り飛行に成功させた。このグライダーはやがて第一次世界
大戦中のドイツの航空機へと発展していったそうだ。このようにして完成した飛行機は、どちらかというと鳥に似た姿となり、「タウベ(Taube)」と名付けられた。タウベはドイツ語で「ハト」という意味。おなじみのハングライダーや現在最も進歩したステルス戦闘機も、空気抵抗の少ない、アルソミトラの種子の原理をヒントに造られたそうだ。
なんとも自然恐るべし。まだまだ人間の英知は自然の神秘にはかなわないようだ。生物学をやっている研究者はまだまだ自然から学べということでしょう。
アルソミトラの種の飛行映像
www.youtube.com/watch?v=9fC_8QemWc8
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