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論文投稿とOn line Journal

2012年04月06日 17:49

どこに論文投稿する?

苦労して研究してきた結果を載せた論文を投稿しようとする時、できるだけいいジャーナルに載せたいと思うのは誰しも同じであろう。Nature, Cell or Science? それともその姉妹紙?
Rejectされた場合の2nd choiceは?と考えた場合、PLoSグループのOn lineジャーナルを考える人が増えて来た。新聞記事でもなぜかCellに載った論文の紹介よりPLoS Oneの論文を紹介する事が多い(朝日新聞は特に好きらしい)。などのなぜPLoSグループのジャーナルが注目を集め出したのかを考えてみた。

近頃、ジャーナルのチェックは学校の図書が購読を契約している雑誌をネットで見て、わざわざ図書館に行ってプリントされた雑誌を見る事はまずない。そればかりか、ジャーナルに投稿する場合も、ネット経由で投稿し、プリントアウトした論文を送る事も無いし、査読の結果もE.mailで送られてくる。
といったように、全てがネット経由で行なわれて、昔ジャーナル購入も論文投稿も郵便で行なっていた頃に比べて、格段の早さと手軽さである。

更に最近は、印刷物を刊行せず、On line 上でのみ発行されるジャーナルが増えて来た。On lineのみで刊行することにより、諸経費が押さえられ、論文投稿や掲載時のチャージが低く抑えられるというメリットがある。そのためOn line Journalが増えてくるのは自明の理であるが、それでもジャーナルを見るには契約し、お金を払う必要があった。しかし、それさえ乗り越えて、だれでも全くFreeにAccessできるジャーナルが出現し、学術出版界に確固たる地位を築きつつある。その代表がPLoSジャーナルでPLoS Biology, PLoS Genetics, PLoS Medicine, PLoS Pathogens, PLoS Computational Biology, PLoS Neglected Tropical Disease, PLoS Oneの7種が発行されている。近年、PLoSグループは学術雑誌出版界の革命児的存在となって来ている。

これらのジャーナルの戦略は購読料がタダで、free accessということだ。誰でも自由に読めるとあって、当然目を通す人も増える、インパクトファクターも結構高い。では諸経費はどうやって稼いでいるのかというと、Publication Chargeを論文投稿者から取るというシステムをとっている。論文の質を高めようとするとrejectする数が増え、掲載論文は減ってしまう。そのため、収入が減り、当然のようにPLoSジャーナルは赤字経営であったが、賢い人もいる物で、出版論文数を上げ、収入を増やす方法を考えPLoS Oneという雑誌を作った。このジャーナルでは採択、非採択の大きな要因であった、仕事の意義や重要性は問わず、方法が正しく、倫理上問題なく、きちんと記述されていれば採択という方針を取ったことだ。その編集方針により掲載論文数が爆発的に増えて年間7270本とインパクトファクターの高いPLos Medicineの掲載数が227本でPLoS Biologyが407本に対し10倍以上と稼ぎ頭になっている。

面白い事は、掲載料がインパクトファクターに比例して高くなっている事(表を参照)だ。PLoS Oneの編集方針でどのくらいのインパクトファクターが稼げるかと興味が持たれていたが、出てみると論文の内容の面白さは問わないという、編集方針にもかかわらず、4.4と以外と健闘しているのが分かる。PLoS BiologyやPLoS Medicineはpeer reviewをして質の高い論文を掲載する方針で採択率が10 %程度で、採択されるまでに半年程度かかるのは仕方ないとして、PLoS Oneは速報性をうたって発足し、採択率は60-70%と言われるにもかかわらず、採択に至るまでが他のPLoS誌と同じように半年から3ヶ月程度かかっている。という事は採択率を上げると行っても、ある程度の体裁が必要であるということであろう。

これらfree accessのジャーナルの健闘振りは、NatureやScienceなどの一流雑誌のeditorには脅威である。Scienceの刊行しているOn line ジャーナルにScience signalingという姉妹紙があるが、それを読むにはScienceとは別に購読料を払わなければいけないためか、Scienceの姉妹紙にもかかわらず、インパクトファクターは6.354と伸び悩んでいる。NatureにもNature communicationsというOn line誌ができたが、こちらの方のインパクトファクターはまだ出ていない。それにしてもPLoSグループの成功は学術雑誌の出版に大きなインパクトを与えた。
これからの論文の投稿先にPLoS Journalを候補の一つに上げてみてははどうであろうか?
表にPLoS Journalのインパクトファクター(IF)と一年間の掲載論文数および掲載料を載せた。
まさにインパクトファクターと掲載料が比例し、掲載論文数はインパクトファクターや掲載料に反比例してることが分かる。

             IF         論文数        掲載料
 PLoS Biology     12.472       407       2900ドル

 PLoS Genetics    9.543      779       2250ドル

 PLoS Medicine    15.617      227      2900ドル

 PLoS Pathogens     9.079      718      2250ドル

 PLoS One        4.411      7120     1350ドル
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