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インパクトファクターから見たジャーナルの地殻変動

2012年07月02日 17:56

科学ジャーナルの栄枯盛衰

2011年のジャーナルのインパクトファクターの発表があった。
レビュー誌を除いた医学、生命科学分野でのトップはいつものように臨床医学雑誌のNew England J MedでIF:58.484であった。2番手も臨床医学雑誌でLancet (IF: 37.278)。その後に続くIF:20以上のジャーナルは通例のごとく、Scienceを除いてNature及びCellとその姉妹紙である。

生命科学の基礎でのトップはNatureでIF:36.28, Nature Gent (35.532), Cell (32.403)と続き、Scienceが31.201でこれまでがIF:30以上。常連のジャーナルが30以上を占めている。
IF:20代はCancer Cell (26.566), Nat Immunol (26.008), Cell Stem Cell (25.421), Nat Biotechnol (23.268), Nat Med (22.462), Immunity (21.637)と全てがNatureとCellの姉妹紙。ここまでが1F:20代。以下Nat Cell Biol (19.488), Nat Method (19.286), PLoS Med (16.269), Nat Neurosci (15.531), Circulation (14.739), Neuron (14.736), Mol Cell (14.178), Dev Cell (14.03), J. Exp Med (13.853), Cell Metabo (13.668), Genome Res (13.608), J Clin Invest (13.069), Nat Struc Mol Biol (12.712),と続き Gene Devはここまで落ちたかと思われるIF:11.659,PLoS Biol は11.452でJ Cell Biolは念願のIF:10代返り咲きを果たし10.264。ここまでが10以上のジャーナル。

IF:10以下で主要なジャーナルを拾えば、Proc Natl Acad Sci が9.681, Curr Biolが9.647と10以下に転落, EMBO Jが9.205. PLoS Patholが9.127でCell Death Dfferが8.849, PLoS Gent (8.694), Nucleic Acid Res (8.026), Cancer Res が7.856である。ここまでは多少の変動はあるが昨年と変わらない。

新たに出されたNatureのon line誌のNat CommunのIFがどのくらいかは興味新々であったが。初めて出たIFが7.396でScienceから出されている同じような雑誌のScience Signal (7.499)とほぼ同じであった。 Natureという名前が欲しい人にはまだ穴場か? 更にEMBO Repが7.355, J Cell Sci が6.111であった。一方名門ジャーナルのMol Cell Biolは5.527でMol Biol Cellは4.942とIFは長期低下傾向にある。

IF:7から5までは多くのジャーナルがひしめいている。主なものはStem Cell (7.781), J Mol Cell Biol (7.667), Human Mol Gent (7.636), Mol Cell Proteomics (7.398), EMBO Rep (7.355), J Neurosci (7.115), Development (6.596), Oncogene (6.373), J Pathol (6.318), Aging Cell (6.265), J Cell Sci (6.111), J Immunol (5.788), FASEB J (5.712), J Lipid Res (5.559), Cell Commun Signal (5.55), BBA Mol Cell Res (5.538), Eur J Cancer (5.536), Mol Cell Biol (5.527)へと続く。

しかし今回何よりも驚いたのがJ Biol Chem(IF:4.773) の凋落ぶりでBiochem J (4.897)よりも低くなってしまった。逆に健闘しているのは、昔はJ Biol Chemに及びもつかなかったBBA関係のジャーナルである。BBA Mol Cell Resが5.538, BBA Mol Basis Disease (5.38), BBA Mol Biol Lipid (5.269)BBA General Subject (5.00)と軒並みJ Biol Chemより高くなっている。
昔分子生物学がまだ未熟であった頃、生化学、生物学を研究していた者はJ Biol Chemに出す事を目指していた。そんな昔の研究者にとってまさに晴天の霹靂といえる。

 ここ数年の生化学系ジャーナルの傾向をみると J Biol Chemが5年前に5.581であったIFが今は4.773と下がっているのに、Biochem Jは4.009から4.897へと、BBA Mol Cell Resは4.374から5.538へ、BBA Mol Biol Lipidに至っては3.539から5.269へと大幅に上昇している。BBA General Subjectも2.37から5.00へとダブルと大幅上昇。

このほかにも目立つ地殻変動としては細胞生物学の分野ではtopがNat Cell Biol (IF:19.488で5年前17.623), Dev Cell (14.03, 5年前12.436)と続きJ. Cell Biolが5年前には9.598だったのが健闘して10.264と10以上に, これとは反対にCurr Biolは5年前は10.539であったのもが9.647へとなり、J. Cell Sciは6.383から6.111へと、 Mol Cell Biolは5年前の6.42から5.527へ、Mol Biol Cellが5年前は6.028だったのが4.942へと減少した。このクラスでは唯一、BBA Mol Cell Resが5年前は4.374だったのに5.538に上昇した。

国内の基礎生命科学雑誌ではCancer Sci が3.325でトップ。続いてGenes Cells で2.680,更にJ Biochemは2.371でCell Struc Functは2.292とJ Biochemより低くなってしまった。

こうして見ると学会誌が軒並みIFを減らし、NatureやCellを初めとする商業誌(PLoSなども)が他を圧倒している事が分かるし、BBAも復活して来た。また生化学の中でもLipid を扱うJ Lipid ResやBBAのMol Biol LipidとかProteomics, Metabolomicsを扱うMol Cell Proteomics (7.398), J Proteome Res (5.111), J Proteomics (4.878)などがランクを上げている。これも時代の流れか?
科学ジャーナルに於いても、民営の方が努力し、改善に積極的で、時代に応じて変わって行く能力を持っているという事なのか。

今回の驚きは昔から慣れ親しんで来た生化学を代表するジャーナルのJ Biol ChemがBiochem JやBBAの後塵を拝するようになったこと。確かに最近はJ Biol Chemに目を通すことが殆ど無くなってはいたが。過去の栄光は何処。
オーマイゴット!
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