スポンサーサイト

--年--月--日 --:--

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。

蚊の進化と蚊を真似た注射針

2013年11月05日 18:59

蚊の話2題

最近蚊に関連して2つの話題が新聞に載っていた。一つは血を吸った太古の蚊の化石が見つかったという話と、前から話題になっていたが蚊の吸い口を真似た、痛く無い注射針が完成し海外に輸出されるという話。

 アメリカのモンタナ州の川床で腹部が乾燥した血でいっぱいになっている4600万年前の蚊の化石が見つかり、「Hemoglobin-derived porphyrins preserved in a Middle Eocene blood-engorged mosquito」というタイトルの論文が10月14日発行のon line のProc. Natl. Acad. Sci. USAに掲載された
元生化学者で、引退後は米スミソニアン協会国立自然史博物館(Smithsonian Institution National Museum of Natural History)でボランティアをしているDale Greenwalt博士の研究チームがX 線や質量分析装置などを使って蚊の化石の腹部を調べたところ、膨らんだ腹部から、血中で酸素を運ぶヘモグロビンの成分である鉄やヘモグロビンに由来するポルフィリンの痕跡が検出された。

 吸血昆虫には、蚤、シラミ、南京虫、などがいるが、最もよく知られているのはアブなどの仲間で9000種にも及ぶ。蚊はマラリやや黄熱病など広範な病気を媒介するため今まで最も研究されている吸血昆虫である。今回見つかった化石は4600万年前のもので年月が経ちすぎているため遺伝子を抽出することは不可能なため、この血液が何の動物のものかは謎だ。Greenwalt氏は、この古代蚊が、鳥の血液を吸う蚊科に属する現代種に似ていることから、腹部に入っているのが鳥の血液である可能性を指摘している。
1993年にヒットした米映画「ジュラシックパーク」では、琥珀に閉じこめられた蚊から恐竜の血液のDNAを取り出し、欠けている部分をカエルの遺伝子で補完し、これを現生爬虫類(ワニ)の未受精卵に注入することで恐竜を再生したことになっていた。更にDNAの欠損してしまっている部位の代替に使われたカエルが周囲の個体の雌雄比率にしたがって性転換をする種であったため、これが発生時にメスのみを生み出すことで恐竜の個体数をコントロールしようとした意図に反して恐竜が自ら繁殖を始めてしまうという問題を引き起こした。なぜ両生類のカエルを用いるように書かれたのか不明であるが、現在では鳥類が恐竜の直系の子孫であるとされているので、鳥類をベースとして用いるのがより適切だろう。
しかしながら同博物館によると、DNAは約500年で半分が壊れるため、今回の化石より古い恐竜時代の蚊の化石に完全なDNAが残っている可能性はほとんどないという。これまでに発見された最も古い蚊の化石としては、ミャンマーで琥珀に入った9500万年前の蚊が発見されている。真に恐竜時代の蚊であるが、現在と同じような姿をしていて、すでにその時代には蚊は進化のピークを極めていた事が分かる。
 通常蚊は草や果物の汁を食事としている。吸血行動を起こすのは雌の蚊だけで産卵を行なうときだけ、栄養価の高い血を吸う。しかし刺されて,痛く無く、かゆくなければ、気づかれずに血を吸って逃げれるのになぜ「蚊に刺されるとかゆい」ようになっているのだろうか。

かゆみの元は蚊の唾液のせいであることはよく知られている。また
蚊の唾液には血液の凝固を阻止する物質が含まれている。 血を吸っているときに血液が空気に触れて固まっては困るからだ。 人の高度に進化をとげた「血液の凝固因子」を効かなくする物質を作れるなら、 アレルギー反応が起きにくく血を吸えるように、 もうひと進化しても良いのでないかとも考えられる。 そうすれば蚊は安心して血を吸えるし、血を吸われる人からみても、 アレルギー反応が起きないということは、かゆくならないのだから、お互い良い話にも見える。それなのになぜリスクを犯してまで蚊はかゆくする必要があるのか?

  ヒルなどは相手をかゆがらせないで血を吸う。 となると、蚊がかゆいのは、絶対に必然的なことでもない、と言わなければならない。なかなか納得のいく説明は難しいが、人間の方でかゆくなるように進化したという説がある。
つまり、人類と蚊類の進化のなかでは、蚊に刺されてもかゆくならない人間も存在したが、 そういう吸血生物などに無頓着な人間は伝染病などにかかる確率が高いので、 滅んでしまった。つまりウィルス等に感染しないように人間のほうで進化したのではないかというのである。面白い説であるが未だ正解は明らかでない。

2つ目の話題 「蚊の口針を模擬したマイクロニードルの作製」

 生物がもつ特殊な機能や不思議な能力を利用する「バイオミメティクス(生物模倣)」については過去にブログで取り上げた。今回は蚊の吸血針を模倣した痛く無い針を作ったという話が新聞に載った。なぜ、蚊に刺されても痛くないのだろうか。蚊の針は一本ではなく7本で出来ている。上唇(じょうしん)、下唇(かしん)、咽頭(いんとう)、そして大顎(おおあご)と小顎(こあご)が2本ずつ、で計7本だ。それらを駆使して血を吸っている。なかでも重要なのが上唇と小顎の3本。真ん中にあるのが上唇で血を吸う部分。そして、上唇の両側に小顎がある。小顎はノコギリのようにギザギザになっている。 このギザギザが痛みの軽減に役立っている。ギザギザの先しか皮膚に触れないので、その分、抵抗が小さくなりすっと刺さりやすい。さらに、この3本が連動し動くことで、痛みをやわらげている。
 まず、①小顎の1本を突き刺しながら上唇を引く。次に、②上唇を突き刺しながら、2本の小顎をともに引く。③今度は、①とは逆の小顎を突き刺しながら、上唇を引く、そして④最後に、両方の小顎を引いて、上唇をぐっと突き刺す。この一連の動作を1秒間に2~3回繰り返しながら前進していく。加えて、咽頭と呼ばれる針から唾液を出して血液が固まらないようにし、時間をかけて上唇から血を吸っている。この蚊の吸血の機序をじっくりと観察し、関西大学システム理工学部教授の青柳誠司先生は痛く無い針を開発し実用化したのだそうだ。

 痛く無い針と言えば数年前東京の下町の工場で、非常に細い針が開発されたという報道を思いだす。これは非常に針が細いので、皮膚の痛点に触れないで針を入れる事ができるので痛みが無いという理論によっていて、糖尿病患者がインスリンを毎日打つのに、非常に重宝されている。
 今回は更に一歩進化した針で、蚊の吸血から学んで作られた無痛の針だ。蚊は如何にしてこのような複雑な吸血針を進化させたのであろうか?恐竜の時代にはすでに蚊はこの強力な武器を進化して持っていた。そのため、あまりにも生存に強力な武器なので、それ以上の進化せず、太古のままの姿で現在も繁栄し,人を困らせている。更にこの吸血行動を利用するちゃっかり物として、ウエスストナイルウイルスや日本脳炎ウイルス、更にはマラリア原虫などが自分の子孫を伝搬するために利用している。上には上がいるものだ。
スポンサーサイト


最近の記事


上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。