スポンサーサイト

--年--月--日 --:--

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。

生物模倣(Biomimetics)の製品化への道 

2014年12月10日 13:30

生物模倣と進化 

 生物の持つ特殊な機能を模倣して工業製品を作ろうとする試み(Biomimetics)については以前のブログでも取り上げた。しかし製品化できた例は少ない。この障害を乗り越えるための方策として進化論的考察が必須であると言う。 Biomimetics and evolution. Patek, SN: Science 345, 1448-1449 (2014)

 生物模倣は生き物の持つ特異的な特徴が様々な工業的困難さに対して新たな解決策を与えてくれるという考えに基づいている。しかし今までに、生物模倣は盛んに研究されて実用化への試みが多くなされて来たが、製品化されて成功した例は少ない。生物システムを応用して工業化に成功した例としてイガの衣服や動物の毛皮への付着を模倣したマジックテープが有名であるが、モルフォ蝶の色彩や蜘蛛の糸などを大々的に応用した例はまだ聞かない。

 生物学的機能の模倣には成功するが、大規模な工業化には至らないのはどうしてであろうか?この論文では「生物学的特色をピンポイントで取り上げ工業製品に模倣するには生物がその特異的機能を獲得して来た過程で様々な試行を行なった、進化論的な見地からの改良が必要である」と言っている。
例として、ヤモリを模倣した粘着物質の開発において、生物模倣と進化論を結びつけるアプローチが生物模倣を工業化する戦略として極めて重要である事が示された。

 ヤモリは天井を逆さまで這ったり、ガラス面に張り付いたりする事が出来る事でよく知られている。今日まで、生物模倣の研究は接着の中心的役割を果たすヤモリの足に生えている細かい毛を重点的になされて来た。細かい毛は接着面に対して密着でき、様々な面に粘着物質なくして接着出来る。しかしながら大規模工業化において問題が出て来た。それは模倣される細い毛がそのままスケルアップすると大きな力に耐えられなくなることである。
 解決策としては細かい毛で覆われた膜の進化的解析を行なって、足の裏の面積や、動物の大きさと接着、脱着との関係を明らかにすることが重要である。
 
  研究チームは盛んに行なわれている細毛膜の研究から離れて、接着膜の進化論的解析からの見解と接着の物理学と結びつけた。そして彼らは最大接着力をインターフェースの分子間結合の強さ、接着面積、システムの信頼性と関係づける膜の式を提唱した。この仕事は線維と柔らかい素材、polydimethylsiloxane(PDMS)、を組み合わせることで、非常に細かな線維を必要しないでマイクロメーターからサブマイクロメーターのスケルでの接触を可能にするヤモリの皮膚の発明へと導いた。

 ヤモリの皮膚の接着は効率的で、いろんな規模の接着に理想的な柔らかさと硬さのバランスを持ち、臨界力での急激な脱着を行い、最適な弾性エネルギーの貯蔵による最小のエネルギーの使用を行なう。これらの性質は弾性エネルギー転移のために物質の粘弾性を使用し、脱着には連続した力を要する従来の繊維で行なわれる接着とは異なる。このようにして開発されたヤモリ模倣皮膚製品は十分な接着力を発生し、大きな面積へと拡大でき、様々な種類の表層へ応用できた。そして粘着質でなくdryで再利用可能で、大型化でき清潔でもある。

 ヤモリの進化の歴史を通して、その接触がある特殊な条件下によって異なった有用性を示し、細かい毛が繰り返し出来たり失われたりしている事が明らかとなった。模倣ヤモリ皮膚の発明は接着膜の進化の解析と接着の物理を組み合わせてなされた。比較研究は生物模倣において、重要さを増しているが、進化的解析を含まない統計学的解析は誤った相関を引き起こす。さらにヤモリ皮膚膜の解析には統計学を組み込んだ系統発生との相関を必要とする。
 

結論:生物模倣に於いて単独の種での研究では限界があり、進化の歴史の包括的なデータを利用する事により、生物から市場へ、コスト効果のある効率的転用を行なえる。
スポンサーサイト


最近の記事


上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。