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国際感覚の薄い日本のアカデミア

2015年03月09日 15:30


ひ弱な学生、ひ弱な研究者

グローバル化に伴って、世界のどこへ行っても通用する企業人や研究者が求められている。しかし事態は時代に逆行して、留学する学生は減少し、日本の大学での外人教授は増えない。Science誌にそれを皮肉ってかどうかしらないが、日本の大学が変われるかどうかという記事を載せた。
Japan looks to instill global mindset in grads
Dennis Normile. Science 347, 937 (2015)

日本の企業は海外での厳しい競争に四苦八苦している。その問題の根源は国民の高等教育システムに対する内向さによるのかも知れない。 文科省の国際企画の局長代理は「企業に務めている人が日本の大学の学生は役に立たないと言っている」述べた。国際環境をうまくやって行く技能と勇気を持っている学生は皆無だとも言っている。そして事態は益々悪くなっている。留学する学生は減り続け、日本での外国人学生の数は減少傾向にある。ましてや外国人の教授はめずらしい。

 首相の安倍晋三内閣によるもっと国際性を持った学生を増やすようにという指示に答えて、文科省はTop Global University プロジェクトを立ち上げた。このプログラムでは13の研究大学が世界のトップ100位以内に入ることを目指して選ばれ、10年間に渡って年4.2億円の援助を受けることになった。そして24のより小さな大学は年1億7千万の補助を受けることになった。助成金額は余り多くないが、大学が国際環境に適応して、学期性やカリキュラムを変えるのを助ける。例えば、参加する大学は海外のパートナーと学生交換を容易にするため、学期の始まりを春から秋に移すなど。

 東京工大の学長である三島義直氏は「我々は教育と研究の質と国際化の改良を試みている」と言っている。そしてゴールは2030年までに世界のトップ10に入る事だ。今は東工大はTimes higher education listでは141位でQS World University Rankingでは68位だ。これは社会の変革をもたらすに十分の規模であると言っている。
これは日本の大学の国際化への最初の試みではない。今までの試みはほとんど効果なく、この新しいプログラムはそれらとどこが違うのか?と疑問が投げかけられている。日本は次から次ぎへと短期のプログラムを発足し連続性がない。と1984年に東大で初めての任期のない教授に就任した地球物理学者のRobert Geller氏は言う。これら一連のプログラムはこのTop Global Projectを成功させるのに役にたっていると言う人もいる。京大と英国の大学との協定を助けたLondon在住の野村敏雄氏は日本の大学はゆっくりだけど確実に変わりつつあると言っている。

 しかし最近の傾向には落胆させられる。文科省の資料によれば、留学する日本人の数は2004年がピークで82,945人で、2011年には57,501人となった。そして日本での外人学生の数は2010年の141774人から2013年には135,519人となった。一方、昨年の86国立大学の外人教官数は2329人で全体の3.6%にしかあたらない。

多くの日本の大学は国際ランキングを軽視しているし、国民も関心がない。現在、Top 100位以内にはたったの2大学しか入っていない。東大が23位で京大が59位である。

もし参加している大学がTop Globalの目標を達成できたなら、海外での学生の信用度が3.3%から13.8%へ、日本人学生に対しての外国人学生の割合は6.5%から13.1%へ増加し、海外で取った学位を持つ日本人に対する外人教師の割合は27.6%から47.1%へ増加するであろう。

 日本のアカデミアは島国育ちでひ弱になり、日本社会の大黒柱となるにはほど遠い。文科省の国際企画課の松本英人氏は「日本の大学から標準的なルートをストレイトに行く事を好むリクルート習慣と国際感覚を持つ人材の育成」にギャップがあり過ぎるという。遅かれ早かれ、会社は英語のスキルと海外経験を持った学生を好んで採用するようになるであろう。その時になって初めて、学生は海外に行くように努力するであろうし、彼らの仕事の前途を知るであろう。しかし、もし会社が変化を好まないなら、学生達も当然変わらないであろう。
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