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ゲノム編集技術の応用が始まった

2016年03月09日 16:07

遺伝子改変が簡単に(いい面と悪い面)

今までの品種改良は偶然に生じる遺伝子の変化によって、長い間かけて少しづつ改良を重ねていくということで行われてきた。しかし最近開発されたCRISPR/Cas9系ゲノム編集技術を持ってすれば目的の遺伝子を狙い撃ちにでき、それも短期間で破壊、修復できる。当然動物や植物の品種改良への応用はすぐにはじまるだろうとは思っていたが、より大きい魚、病気にかかり難い鶏神戸牛のような牛、より甘い果物、美味しい野菜といくらでも品種改良に応用がきく。
 日本でもタイやフグに応用され、1.5倍の大きさの魚が得られている。
実際には筋肉の成長を抑える遺伝子「ミオスタチン」の破壊をゲノム編集で行っただけ。この「ミオスタチン」を破壊した魚をクローン化すれば、永久に大きくて味のいい魚が得られる。
他にも収穫量の多い米、腐らないトマトとかおとなしいマグロを作り出すことがすでに行われている。日本での研究はまだ可愛らしいものだが、アメリカでの研究は一歩進んですでに臨床応用もされている。27年前にエイズウイルスに感染し、発症を防ぐため毎日複数の大量な薬を飲んでいるマットシャープさんは長年飲んでる薬の副作用でめまいや下痢が起こり、それでも免疫力はだんだん低下してきた。
そこで行ったのがゲノム編集。エイズウイルスはリンパに侵入し、リンパの機能低下を起こし、免疫能を弱らせることがわかっている。リンパ球をとり、エイズウイルスが細胞に侵入するときにくっつく細胞表面にある受容体CCR5を破壊し、リンパ球を体に戻してやるというやりかたで治療を行った。実際にデルタ32-CCR5の変異を持っている人はエイズに耐性で、この骨髄を移植したエイズ患者は完全に正常の状態になり、エイズウイルスの検出も不可能になる。同様に、ゲノム編集すると免疫力が大幅に上昇し薬を飲む必要もなくなった。いまやHIVは完全に治る病気になったとゲノム編集を行った企業サンガモバイオサイエンス社(Sangamo BioSciences Inc)のCOEエドワードランフェイエ氏は述べている。
それどころではない。アメリカのブロード研究所(Broad Institute of Harvard and MIT)では人間のすべての遺伝子2万余をすべてゲノム編集できるようにしようとして将来の戦略に備えようとしている。
今の所、変異している遺伝子がわかっている患者から採った細胞をゲノム編集してさらに修復して元に戻すという方法がとられている。この方法は修復した細胞を体に戻したときに組織に入っていけるか、器官を作ることができるかという大きな問題があるが倫理的問題は少ない。
しかしこれが受精卵を使ってゲノム編集をするとなると、人造人間を作ることにもつながりかねない、危険な技術でもある。しかし受精卵を用いてのゲノム編集がすでに中国でなされたという。
中国のBoyalife Groupはゲノム編集以前にまずはクローン化した犬や食肉牛の生産を開始した。そして2020年までに200万頭の牛の生産を目論んでいる。将来は人のクローン化に進もうとしている。それに並行して人の受精卵の遺伝子のゲノム編集をして、基礎的データを積み上げ将来に備えている。しかしその過程でだれかが隠れて遺伝子操作をした卵を母体に戻して、遺伝子が改変された人を作り出さないとも限らない。
日本でも早急に使用指針を作成する必要がある。世界に共通のガイドラインの策定が望まれる。

追記
上で書いた魚のミオスタチン遺伝子を破壊して、大きな魚を得ようとするばかりか人にも応用しようとする動きがあるらしい。シャラポアの例で有名になったが、スポーツ選手は規制の目をくぐり抜けて、ドーピングしようとする。その主たる目的は筋肉強化だ。今までは男性ホルモンが主に用いられたが、規制が強化されたため、様々な薬物に逃れた。シャラポアはメルドニウムと言う抗虚血薬だ。この薬は血流を良くして疲れにくくする。
ドーピングの最終兵器として持ち出されたのが遺伝子ドーピングだ。実際にミオスタチン遺伝子に異常がある人がいて、その人の筋肉量は通常の人の倍近くあるそうだ。というわけで、ミオスタチンを破壊した筋肉細胞を選手に戻し、筋肉量をアップさせようという試み。おれおれ詐欺と一緒で、悪智慧の働く人は、次から次へと規制逃れの手段を考え、新たな規制ができると規制にかからない方法を考える。まさにいたちごっこ。
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