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日本でもanti-aging薬の臨床試験が始まった

2016年07月12日 16:24

Anti-agingがまた一歩近ずいた。

慶応大学はワシントン大学と共同でanti-aging効果があるとされる「ニコチンアミド・モノヌクレオチド、NMN」の安全性を確かめる臨床研究に入った。この物質は生体内にも存在し、エネルギー代謝に不可欠な「ニコチンアミド・アデニンジヌクレオチド、NAD」に変化する。老化に伴いNADは減少するので、このNMNを摂取して、補うことで、また積極的にNADを増やして抗老化作用を得ようとするものである。なぜ直接NADを摂取しないでNMNを採るのか?NMNは吸収されやすく、NADは吸収されないためだと考えられる。NMNは体内で「Nicotinamide mononcleotide adenyltransferase, Nmnat」により補酵素のNADへと変換される。NADのターゲットの一つにsirtuin (SIRT)という長寿遺伝子があり、NADで活性化される。つまりSIRTはNAD依存的な脱アセチル化酵素として、活性化されると代謝のキイとなる転写因子を脱アセチル化して、作用をおこす。SIRT1はAMP-kinaseの下流で活性化され、AMP-Kの活性化はSIRT1の活性化にもつながる。カロリー制限によるanti-aging効果は同じように、AMPが増えることによるAMP-K活性化によって起こる。

一方、米国ではmetoforminという糖尿病治療薬を用いて臨床研究に入っている。metoforminはAMP-Kを活性化し、エネルギー代謝の中心に位置し、栄養状態を監視するmTORというタンパク質 キナーゼを抑制して、代謝活動を低下さす。mTORはPI3K/Aktシグナルの下流にあり、insulinや増殖因子で活性化される。Insulin signalはエネルギー代謝の中心にあり、糖代謝、脂質代謝をコントロールする。その代謝の中心にmTORがあり、栄養状態を監視し、栄養状態がいいと活性化され、代謝を促進する。rapamycinはmTORの阻害剤としてanti-aging効果が確認されているが、副作用があるため人への投与はできない。

栄養状態がいい場合は細胞内のATPが豊富になり、エネルギーを浪費する。しかし栄養状態が悪く飢餓状態寸前の場合や絶食状況の場合には細胞内のATPは減少し反対にAMPが増える。すると細胞は浪費をさけるため、節約遺伝子のスイッチを入れ、エネルギー代謝に重要なstepをshut downする。これを行うのがAMP-KでAMP量を感知して活性化され、mTORをリン酸化して活性を抑え、代謝を抑制する。

現在のところ、anti-agingに有望な薬剤の開発のターゲットとしてmTORを阻害するかSIRTを活性化するかの方法がとられているが、NMNは実際に体内に存在する補酵素化合物なので、この摂取によりanti-aging効果がとれるとすればすぐにでも使える。 すでに世界の大きな製薬会社はanti-aging 薬の開発に取りかかっている。
これらanti-agingは成人病と言われる、がんを始めとする、糖尿病、動脈硬化、アルツハイマーなどの病気の発症率を下げることが期待されている。若い頃描いていた夢のような話が現実に近づいた。ここで目指そうとするanti-agingは寿命を伸ばそうとするものではなく、がんやアルツハイマーなどの成人病などにかからず、健康に年取って(healthy aging)寿命を迎えようというものである。
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