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インパクトファクターから見るジャーナルの趨勢

2016年08月08日 12:33

NatureとCell関連雑誌の圧倒的強さ

毎年7月になるとジャーナルのインパクトファクターが発表される。この発表にジャーナルの関係者は一喜一憂する。もしインパクトファクターが上がれば、その成果を誇示でき、競合する他誌を追い落として、このジャーナルに投稿する論文が増え、しいては質のいい論文が獲得でき、読者も増え、財政的にも潤う。

総合的に見るとは 小さな変化はあったが、インパクトファクターの傾向は前年とあまり変わりなかった。
いつものようにトップを臨床関係のジャーナルが占め、CA-A Cancer J for Clinicianはなんと100超えでIF:131.723、それを先頭にNew England J Med (IF:59.553), Lancet (IF:44.023)と常連が続く。
基礎系ジャーナルのトップはこれも変わり映しなくNatureでIF:38.138, 次いでScienceのIF:34.661、CellはIF:28.71となり、Natureのダントツ一位が定着した感があり、Cellとは10も差ができた。 Nature, Cell, Science以外ではNatureの姉妹誌のNat Gent  (IF31.616)やNat Med (IF:30.357)はCellよりも高いインパクトファクターを示す。さらにNat Med (IF:25.328)が続き、それをCellの姉妹誌のImmunity (IF:24.082), Cancer Cell (IF:23.214), Cell Stem Cell (IF:22.387)が追っている。ここまでが20点代。

 その後に、Can Discovery (IF:19.783)と、初めてNatureやCellの姉妹誌以外の米国がん学会発行のジャーナルが出現する。そしてまたNat Immunol (IF:19.381), Nat Cell Biol (IF:18.699), Cell Metabo (IF:17.303), Nat Neurosci (IF:16.724)、Cell Res (IF:14.812), Neuron(IF:13.974), Mol Cell (IF:13.958)とNatureと Cellの姉妹誌が独占し、その中にあってPLOS Medは IF:13.583と健闘している。Nat Struct Mol Biol (IF:13.338), J Clin Invest (IF:12.575), Cell Host Micro (IF:12.552), Blood (IF:11.841), Nat Commun (IF:11.379), J National Cancer Inst (IF:11.37), Genom Biol (IF:11.313), J Exp Med (IF:11.24), Am J Human Genet (IF:10.794), Mol System Biol (IF:10.581),  Gen Dev (IF:10.042)と続きここまでが10点代。

EMBO Jは10点から滑り落ちてIF:9.643になり、Nat Proto (IF:9.646)と続き、EMBO Mol Medは上昇して IF:9.547となった。さらに、PNAS (IF:9.423),  一時期15点代あったDev Cellも10点代から滑り落ちて今や IF:9.338、Nucleic Acid Resは躍進してIF:9.202。Curr Biol がIF:8.983、あの細胞生物学雑誌の名門で今でも載せるのが難しいとされるJ Cell BiolがIF:8.717まで下がってきた。PLOS Biol がIF:8.668、 Can ResがIF:8.556でeLifeがIF:8.303、Cell Death DifferがIF:8.218となっている。
OncogeneはIF:7.93でCell Report がIF:7.87. PLOS PathogはIF:7.003でここまでが7点代。

6点代はPLOS Gent がIF:6.661, Development (IF:6.059)で、5点代はGlia (IF:5.997), Can Letter (IF:5.992)でMol Cell Proteom (IF:5.912), Human Mol Gen (IF:5.985), J Neurosci (IF:5.924), Stem Cell (IF:5.902), J Medicinal Chem (IF:5.589), J Mem Sci (IF:5.557), Mol Oncol (IF:5.361), DNA Res (IF:5.267), Struct (IF:5.237), FASEB J (IF:5.229), BBA Mol Basis Dis (IF:5.158), BBA Mol Cell Biol (IF:5.128), Human Gent (IF:5.138), Biochem Pharmacol (IF:5.019)となっている。

5点以下を簡単に紹介すると、 J Immunol (IF:4.985), BBA Bioenerg (IF:4.864), BBA Mol Biol Lipid (IF:4.779), J Physiol (IF:4.731),と続き、J Cell Sciは昨年より下がって IF:4.706、 Mol Cancer Res はIF:4.51へ上昇, Endocrinol (IF:4.498)でMCBは下がってIF:4.427、J Lipd ResがIF:4.368, 米国の生化学、分子生物学会発行の名門ジャーナルJBCもついにここまで下がってIF:4.258, FEBS Jは上昇してIF:4.231, Am J Pathol (IF:4.208), Cell Signal (IF:4.191), J Proteo (IF:4.173), J Cell Physiol (IF:4.155), Proteomics (IF:4.079), MBCも下がって IF:4.037, J Mol Biol (IF:4.037)、 Eur J Cell Biol (IF:4.011)。 ここまでが4点代。

Cell CycleはIF:3.952, Mol PharmacolがIF:3.931, 日本癌学会発行の雑誌Cancer Sci はIF:3.896で日本発行の雑誌のトップ, Traffic (IF:3.721), BBA Biomem (IF:3.687)でBiochem Jがここまで落ちてIF:3.562, 次いでFEBS Lette(IF:3.519)となっている。PLOS ONEはかろうじて3点代にとどまり、IF:3.057となった。

昨今の変化を見るために著明に上がったのと著明に下がったものを調べてみた。
インパクトファクターが昨年より1以上上がったものはScience (1.05), Nat Gen (2.264), Nat Med (2.994), Immunity (2.521), Cell Res (2.399), Blood (1.389), Mol Cancer (1.624), 一方1以上下がったものとして、Nature は3.318下がっても依然として全体のトップ。 Cell も大きく下がり3.532の低下, Nat Methods (6.744), Neuron (1.08), JNCI (1.213), J Exp Med (1.275), Autophagy (2.645), J Cell Biol (1.117), eLife (1.019), EMBO Rep (1.316)となっている。

 傾向として言えることはNatureとCellとその姉妹誌が圧倒的に上位を席巻していること。中位でもPLOS Oneの成功に触発されてNature が出したopen access journalのSci Reportは5.578で、一方Cellが出したCell Reportは8.358 と、PLOS Oneが3.234と発行当初から徐々に落ちてきているのに比べ、やはりブランド雑誌は強い。

 自分が長い間研究してきた分野の生化学や細胞生物学とがん関連のジャーナルを見ると、生化学や細胞生物の雑誌の凋落とがん関係の雑誌の隆盛ぶりが目につく。
生化学、細胞生物学関係ではPNASが昨年の9.674から9.423へ、JBCが4.573から4.258へ、Biochem Jが4.396から3.562と大幅下落、また細胞生物学の代表的ジャーナルはいずれも、Dev Cellが9.708から 9.338へ、 J Cell Biolは9.834から8.717へ、J Cell Sci も5.432 から4.706へといずれも振るわず、長期低落傾向を示しているが、一方でNat Cell BiolのようにIF:18.699と依然として高いインパクトファクターを維持している雑誌もある。このことは一概に領域による人気低落だけではなくブランド力、編集方針の差がこの結果を生み出したのか?
一方がん関係はCancer Cellが23.523から23.214と変化なし、Can Discoveryは19.453から19.783へ、Can Resは9.329から8.556へ、Oncogeneは8.467から7.932へ、Can Letterは5.621から5.992へ、Mol Can Resは4.38から4.58へと一部のジャーナルによっては多少の降下はあるが、総じてインパクトファクターが他の領域の雑誌より高い。

国内誌を比較すると日本がん学会誌のCancer SciがダントツでIF:3.896、で
Gene CellがIF:2.581, J BiochemがIF:2.397でCell Struc FunctがIF:1.969と昨年と変わりない。ここでもがん関連のCancer Sciがじりじりと上げてきている。
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