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山崎豊子と神戸(関西)

2008年06月16日 12:37

山崎豊子ワールド:緻密な取材と小説
山崎豊子は大阪にうまれ、毎日新聞で井上靖のもとで、記者としての訓練をうけた。「暖簾」や「花のれん」を執筆してプロの作家となる。彼女の作風は初期の頃は船場や吉本興行を題材にした作品である「暖簾」、「花のれん」、「ぼんち」や「女系家族」を通して、船場や旧家の慣習やその確執などが女流作家らしく、女性の豪華な着物や料亭の食事の華やかな様子を所々にちりばめながら現実のドロドロした人間が描かれている。特に「女系家族」では船場の旧家に婿養子として入り、一生嫁に頭が上がらず、耐え忍び、3人の子供も全て女という女系家族の中の唯一の男性が、最後に遺言でその鬱憤をはらすというストーリー展開も面白い。
「白い巨塔」の頃から社会現象に目を向け、大学病院内、会社内での権力闘争をテーマにするようになった。「白い巨塔」、「華麗なる一族」や「沈まぬ太陽」がこれにあたる。「沈まぬ太陽」は日本航空の社員、恩地元を主人公に日航で実際にあった内部紛争と日航機墜落事故をモデルとした小説である。
日航幹部社員、労働組合と監督官庁である運輸省のエゴと私利私欲むきだしの権力闘争の前には個人や社会正義等はいかに無力であるかが分かる。私はこの本を読んで日本航空には2度と乗るまいと誓った。
陸軍の超エリート参謀として活躍した瀬島龍三のシベリア抑留や帰国後の伊藤忠商事での活躍を描いた、「不毛地帯」、アメリカの捕虜収容所の日系2世を扱った「二つの祖国」、中国残留孤児と新日本製鉄による日中共同プロジェクトによる大製鉄企業の設立を扱った「大地の子」は第2次世界大戦に発する大きな社会問題を扱った、スケールの大きい読み応えのある小説である。山崎豊子の小説は必ずと言っていい程、そのモデルがある。社会問題化した内容を知って小説を読むと裏が理解できて一層興味が出てくる。その反面、資料に忠実なあまり、いずれの小説においても盗作疑惑が持たれている。私はストリー展開の巧みさとそのバックにうごめくドロドロした人間模様をうまく織り込む巧みさにはほどほど感心している。

神戸が舞台の『華麗なる一族』

山崎豊子によって書かれた「華麗なる一族」はTBSでドラマ化され, 木村拓哉が万俵鉄平を演じたことで有名である。山崎豊子の小説にはかならずそのモデルが存在する。本作品中の万俵大介が頭取を務める阪神銀行は神戸銀行で、大介は20年間オーナー頭取として君臨していた岡崎忠(岡崎財閥)であるとされる。神戸の岡崎といえば神戸銀行、同和火災海上保険に君臨する一族として有名で須磨離宮公園の植物園が旧岡崎邸。
息子の鉄平が社長を務める阪神特殊鋼は山陽特殊鋼がモデルである。山陽特殊製鋼(株)は神戸銀行がメインバンクの大手特殊鋼メーカーであったが、過剰の設備投資により1965年倒産する。この倒産は戦後最大の倒産として注目を集めた。倒産をきっかけに粉飾決算が明るみにでて経営陣は詐欺容疑で起訴される。万俵鉄平のモデルはその際、管財人から唯一会社に残るように指名され、再建に努めた常務の上杉年一だとされる。一方、神戸銀行は大口融資先に問題があり、背伸び経営が大蔵省から指摘され、また経営陣は優雅な趣味三昧で経営には向かないとのレッテルを貼られ、山陽特殊鋼倒産の2年後に岡崎は詰め腹を切らされる形でやめ、大蔵次官経験者の石野信一が頭取に就任する。その後太陽銀行と合併し、さらに三井住友銀行になり、神戸の痕跡は跡形もなく消えてしまう。体のいい大蔵/財務省の乗っ取りで芝居が終わった。
山崎豊子の小説からの教訓:権力(官僚)は企業内のトラブルに付け込み、足をすくい、勢力を拡大する。

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