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幕末の藩主たち

2008年07月28日 12:03

幕末の殿様風景

幕末の諸藩で賢公と称されるのは薩摩藩の島津斉彬、福井藩の松平春嶽、土佐藩の山内容堂が挙げられる。長州藩の毛利敬親は凡庸な殿様との評価で「そうせい候」とのあだ名がつけられている。彼には確たる定見もなく部下が具申すると必ず、「うん、そうせい」と答えたという。しかしこのような殿様のお膝元で、吉田松陰をはじめとする維新に活躍する志士たちを各も多く輩出できたのか? 彼はなまじ、切れ者の賢候でなかった故、自分の才能を過信するあまり、自己の考えを強引に押し進める藩主と異なり、家臣の意見を積極的に取り入れ、才能ある人物の採用に熱心であった。才能ある英明な若者が大好きで、私利私欲を離れて、それらの若者に愛情をかけて,育てたくなる性格の持ち主であった。松蔭一人とっても、ペリーの船での密航の企てに失敗し、幕府は長州藩に身柄をあずけるが、通常の藩であれば即死罪となるべきところ、敬親は松蔭を惜しみ、野山獄に一年間入れた後、自宅に謹慎させることにするのだが、その謹慎一年あまり間に松蔭は松下村塾を開き、高杉晋作、伊藤博文、山形有朋、久坂玄瑞らの逸材を育てた。これもたった一年間の塾である。期間の長さより、いかに集中してものを行うかが大切だということを教えている。松蔭が獄死した後も、敬親は命日には供養をし、晩年になってもその日には魚を控えたそうである。そんな優しい愛情あふれた殿様であった。
薩摩の島津藩は英明な誉れ高い斉彬から実質的な実権が久光に代わり、国父、副城公と称せられ、藩政の権力を掌握する。中下級藩士からなる精忠組のメンバーである海江田信義、大久保利道などを登用するが、その中心的人物である西郷隆盛とはそりが合わず、島ながしなどの処置をした。久光自身は積極的に政治的に動き、公武合体を押し進めたが、挫折。その後ご存知の様に倒幕路線にはしり、維新の樹立に重要な役割を果たす。しかし自分の意図に反して、権力が西郷隆盛や大久保利通に移り、廃藩置県野布告が行われると激怒した。久光にしてみれば幕府を倒せば自分が徳川に代わり権力の中枢につけると思い込み、それのみを目指して運動していたのが、いつの間にか自分に絶対服従すると思っていた、部下が独走し始め、全く新しい自分の及ばない政府ができてしまった。明治に入っても政府に出仕し、左大臣にまでなるが、旧習復活の建白書を出し、取り入れられず、また政府の意思決定過程から排除されたため鹿児島に隠居する。その後も洋化政策に反対し続け、髷をきらず、帯刀和服をやめなかった。自信過剰な封建的で保守的な殿様であった。
土佐の山内容堂は14代、15代藩主が相次いでなくなったため、急遽土佐藩を継ぐ事が出来た。賢侯との声も高かったが、自分くらい才能があり、有能な藩主はいないと自信過剰な封建藩主であった。容堂は島津斉彬、松平春嶽や伊達宗城らとともに幕末の4賢侯と呼ばれ、その名声も高い。幕政に積極的に口を挟み、幕府の改革を訴えた。しかし次期将軍として一橋慶喜を推したが、時の井伊大老は家茂を将軍に据えた。容堂はこれに憤慨して隠居したが、実権はにぎったままであった。勤王の志士達を弾圧し武市半平太らの土佐勤王党は壊滅した。藩内の勤王の志士を弾圧する一方で、朝廷や幕府とうまく立ち回り、一貫した姿勢が見えず、幕末の混乱を大きくする一因ともなった。更に、権力志向が強く、身分の低い郷士出身者を取り立てる事もなく、見せかけの賢侯であった。維新において土佐の脱藩者である坂本竜馬や中岡慎太郎などの土佐出身者の役割は大きいが、もし勤王党の弾圧がなっかたなら土佐藩は長州、薩摩藩と並んで、もっと明治維新樹立への貢献をしたであろうと思われる。自分の思い通りにならないと気が済まないたちで、明治政府の執行部から外される。身分の低いものとなじめず、終生お殿様気分であった。才能はあったが大局観がなかった封建藩主といえる。
こうして見ると、毛利の殿様のさばけた人柄と人の良さが目立つ。それが長州藩をして維新への功労者を多く出した理由であろう。
薩摩では西郷隆盛や大久保利通などの家臣はワンマンな殿様を祭り上げて、うまく事を運んだことに成功の秘訣がある。
一方の土佐は長宗我部没落以降、下積み生活をしいられた、郷士達が脱藩して独りよがりで独裁者の殿様の意向とは無関係に事をなしたところに特徴がある。
歴史的な大きな出来事はそれを生み出す背景,土壌があるところに生まれる。

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