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生物の多様性(6)

2008年08月09日 20:17

陸を目指した生物

今度はTsuka-kunnからの宿題。「進化の過程で生物が水中から陸上に進出できた条件は」何か? まず植物が陸にあがり動物がその後を追ったようだ。
 シルル紀からデポン紀にさしかかる頃、植物がそろそろと陸上へと進出し始め、それに続いて節足動物も上陸を果しつつあった。陸上への進出は浮力が働く水中生活から重力がかかる空気中に移動するだけの問題ではない。組織は壊れ易く、乾燥はやっかいな問題であった。そこで陸上に進出した植物は、葉緑体の外側に鑞質の皮膜を発達させる必要があった。しかし鑞質の被覆を通して呼吸するとなるとべつの問題が生じてきた。なにしろ水分を保持しつつガスだけ交換しようというのだ。その問題に対して食物は葉の表面の細胞の配列を変えて気孔を作り出した。気孔はそこから空気を取り込み、水分が減少すると気孔周辺細胞が膨らんで孔が閉じる仕組みになっている。一旦このような空調設備を整えると根を伸ばして栄養分の吸収をしたり、緑色の葉状体表面で光合成を行ない、空気と光に満ちた世界に拡大して行った。
 一方、動物で真っ先に陸上に進出したのは節足動物であろうと考えられている。水中から陸上への移行期に瞬間ではあるが節足動物は食物連鎖の頂点にいた。しかし節足動物は外骨格の持ち主であり、内蔵や筋肉をおさめた管を連結したような構造をしている。そのせいでサイズが大きくなるにつれ、より強固な外骨格の必要があり、物理学的な限界、重力への対抗の限界が起こる。呼吸についても同様で、体内に取り込む酸素は表皮から吸収するしかない。たいていの場合、肺として機能を果たすのは体表と接続された細い管(気管)にすぎず吸い込まれた空気はその気管を通って体の各部に送られた。サイズが小さい間は単なる拡散による酸素の伝播でよかったが、サイズが大きくなるとそうもいかない。従って呼吸能力の限界が体の大きさの上限を設定することになる。それでも食物連鎖の頂点にいた海サソリは体長が2mにもおよび、そのため活発には動けなかった。想像するに海サソリはほとんどが水中で暮らしていたが、じっと泥沼のような場所に潜んでいて、獲物が近づいた瞬間に蓄えておいた瞬発力を爆発させて獲物に飛びかかった可能性が大だ。しかし水中での王者の位置はあごを持つ魚が登場することで、蹴落されてしまう。魚が水中での君主の位置を占め、更には陸上も制覇するようになる。
 植物が陸上に進出してまもなく節足動物に続いて、背骨をもつ動物達がその後を追った。デボン紀には背骨とあごの両方を持つ魚が登場した。あごを持つ魚にはトカゲ、コウモリ、鳥、恐竜等陸生動物の全ての祖先となった一種も含まれていた。
 魚が上陸すると初期の頃はハゼのように水陸が接するような水際をうろついていた。これら陸に上がった脊椎動物に生えた足はかなり貧弱なものだっただろう。足は現在の魚の中にもひれを足代わりに歩くのがいるように、ひれを足へと変化させていったと考えられる。しかし例の如く、生き残りをかけた競争によってたちまちりっぱな足へと進化した。
 陸上生活には肺も必要だった。魚のもつえらではたちまち乾燥してしまう。小型の小動物では気管という細長い管を体内に引き込むことでこの問題を解決したが、体が大きくなるとこの手は使えない。当時の脊椎動物のなかで肺魚が呼吸器官を早いうちから発達させていた。肺魚は体内に収納した肺と気管の湿った壁から酸素を吸収している。そして一旦出来た肺は壁をどんどん折り畳んで酸素の吸収効率を上げるような進化をとげた。体から水分が奪われるのを防ぐうろこ(皮膚)、よたよたと動かせる4本の足、そして肺を備えた時点で水を離れて陸上をのし歩く事が可能となった。つまり動物の陸上での生活条件は皮膚と足と肺の発明にあった。そして広々とした、緑豊かな、光一杯の陸地での生活が始まる。しかし幼生段階を水中で過ごすという習慣は後々まで残る事になる。一旦陸上への進出を果たすと、すぐさま凄まじい競争が始まり、頂点を目指して様々な進化が始まった。
一方、植物はできるだけ動物に喰われない様な、うまく動物を利用して受粉したり種子を遠くへ運ぶ進化をする。次回に植物と動物の敵対関係、共存関係について話す。

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コメント

  1. 北島康介に似てるって言われます | URL | -

    No title

    当時の状況を想像してみると、私たちの祖先は水中では「弱者」だったのではないでしょうか。
    身体が大きく泳ぐのも早い強者であれば、そのまま水中で進化を遂げ、決して陸に上がることはなかったでしょう。
    陸に上がったことが進化を早めた要因だったようですが、これが良かったか悪かったかは、このまま人類が絶滅せずに陸上で暮らし続けられるかどうかにかかっていますね。
    遠い将来、海中で進化し続けているイルカやクジラが高度な知能を持つようになり、陸よりはるかに広い海中に文明を築くのでしょうか?
    それとも広すぎて陸ほどの競争がないため、そのような選択圧がかからないでしょうか?
    進化の歴史はスケールが大きすぎて、なかなか想像するのが大変です。
    それにしても、泳ぐときのえらの動きでは体重を支えて歩くことはできないでしょうから、足を進化させるためにも、何かrevolutionalなオプションの獲得があったのでしょうね。
    肺、皮膚とともに「武器」の重要性を再認識させられました。

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