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花と昆虫の愛憎劇

2008年10月03日 20:56

美しいわな

白亜紀は、花を咲かせる植物(顕花植物)が植物相で重きを占めるようになった時期でもあった。昆虫と花の関係は、人間社会の男女の複雑な関係によりいっそう似かよっている。協力と敵対、アメとムチの使い分け。植物は敵対する昆虫とは戦い続け、受粉媒介者には甘い蜜を提供している。蝶の場合は、一つの種がこの二つの役割を合わせ持っている。植物を食べる幼虫が植物の繁殖を助ける美しい成虫になるからだ。ある時期、植物は食害者の侵略に対抗するために毒を持つようになった、しかし敵もさるもの、その毒への耐性を獲得してその植物専門の食害者になった昆虫も登場した。なかには、その植物の毒を溜め込んで、天敵に食べられないように進化した昆虫もいた。植物には葉の表面に昆虫が止まれないような、密生した毛をはやすものも現れた。芳香性のオイルもそのような競争の産物である。ラベンダーやバジルなどのハーブはまさに昆虫がいやがる匂いを植物が創製し食べられないようにした。アゲハチョウのように他の昆虫がいやがる植物を主食にすることで、熾烈な食物獲得競争をせずに、腹一杯食べられる境遇を得た昆虫もでてきた。

華麗な花は、まさにその反対であり、昆虫に甘い罠をしかける。まずは花は蜜という甘い報酬である。様々な花が異なる昆虫に誘いをかけ、受粉にあたらせてきた。ミツバチを引き寄せる花、夜行性の蛾を勧誘する花、あるいは蝶、アブやハエを誘う花もある。昆虫と花が白亜紀以来繰り広げてきた関係は共進化と呼ばれる。この場合は敵対関係ではなく相互依存関係だ。この関係の行き着く先は、花はただ一種の昆虫に依存し、昆虫も自分が特殊化した花なしでは生きて行けなくなる相思相愛関係である。ランの花の中には巧妙なしかけでもって昆虫をだますものまで現れた。その極端なのは花ビラを特定の種の蜂そっくりに変えてしまったものだろう。つまり蜂の雄は同じ種の雌蜂そっくりな花ビラと後尾しようとして,実際にはランの受粉を助けてしまうというしかけである。 花の管が長く伸びて、特定の蛾の口の長さとぴったりと合っている種類もある。その蛾の吸蜜装置とランの花は、互いに歩調を合わせて進化しているのだ。そうかとおもうと、蜜に通じる秘密のルートがあってその鍵を開けられるのは特定の受粉媒介者だけという関係もある。しかしどの例でも行き着く先は同じで、生物の世界をより一層複雑なものにしている。食べる側と食べられる側の軍拡競争と言える。昆虫もうまくその関係を利用するものまで現れた。ランにそっくりの形をしたカマキリ (ランカマキ、Hymenopus coronatus)の出現だ。蝶や蜂が蜜を求めてやってくるとパクリとだまし討ちにする。

ただこれらの植物も人間の登場は予測していなかったようだ。人は植物の甘い関係だけを利用し、自分達に都合のいい面だけ改良し、大量に植物をそだて、みな食い尽くす。植物にとってみれば、一方的に利用され、種の保存とは関係のない繁殖を強要される。まさに野菜や果物は人間の奴隷となってしまった。しかし時々、食べれる茸によく似た毒キノコを紛れ込ませて人に復讐をすることもで鬱憤をはらしている。

図1、2:花カマキリ;図3、ラン


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コメント

  1. くりくり | URL | -

    人間よ、己のえりを正せ!

    いつも目から鱗のお話をありがとうございます。今回は、私、「花かまきり」の写真に涙しました。花かまきり、という名前を聞くのも初めてなら、写真にしろ、その姿を見たのも、もちろん初めてでした。
    「擬態」というのも、ここまでくれば驚異の一言ですね。ぺんぺんさんが、図2に花かまきり、図3にランと区別してくださっていたのでなんとか判ったものの、そうでなければ、私、絶対に混乱しておりました。

    自分の姿を、「変えたい」。
    生きるために。

    その一途な思い、というのか、意志の力というのか、一念というのか、何世代にもわたる、たゆまぬ願いの結実とでもいいましょうか。―― 種の存亡をかけ、自らの形を環境に応じて変化させてきた、強烈な意志の力、と同時に、環境への配慮まで感じるわけです。

    それなのに、私たち人間ときたら、あくまで自分本位で、周囲の環境を自分たちの都合よく変えていこうとする。花も昆虫も、生きるためにあの手この手で己を変化させていく道を選ぶのに、人間だけが、その例からはずれている。うまくバランスがとれているこの自然界に、なぜ、神は人間というものを出現させ給うたのか?、、、。

    ランの花に身を潜ませ、黙してただただ獲物を狙っている花カマキリの姿に、己の襟を正せと、教えられているようです。

    ところで、先ほどの図2の花かまきりの写真に、お題をつけてみました。

    題して、「健気さ‥。」

    いかがでしょうか!?




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